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■発光色や明るさ、取り付け位置などの基本的な仕様を規定
●フォグランプの役目は、視認性向上と自車の存在を対向車や周囲に知らせること
フォグランプの装着は義務ではなく、あくまで任意です。フォグランプは、濃霧や激しい降雨、降雪の際に視界を確保し、同時に対向車へ自車の存在を認識させるメリットがあり、安全性向上に有効です。
フォグランプのカスタム化に関わる基本的な保安基準について、解説していきます。
●フォグランプの効果
フォグランプ装着のメリットは、大別して2つあります。
・視認性向上
濃霧や激しい降雨、降雪の際には、ヘッドランプの光は空気中の水滴で乱反射して遠くに届かず、視界が遮られます。フォグランプは左右の照射幅が広いので悪条件でも路面や歩行者、周囲が見えやすくなります。
・自車の存在を周囲に知らせる
黄色のフォグランプは、天候が悪い時に遠くまで届きやすい特性があります。そのため、対向車や歩行者に自車の存在を知らせる効果があります。天候が悪い夜間には特に事故が多いので、防止策になります。
●フォグランプに関する保安基準
フォグランプに関する保安基準には、霧灯としての様々な要件が定められています。代表的なのは、フォグランプの光色や明るさ(光量)、取り付け個数、取り付け位置などです。これらがフォグランプのカスタム化や交換の際に問題になります。
・装着数
2個(3個はNG)で左右対称であること
・フォグランプの発光色
灯火の色は白色または淡黄色、そのすべてが同一であること
・明るさ
2005年以前に製造されたバイクには、1万cd(カンデラ)までという上限がありましたが、現在は規定はありません。しかし、色温度となるケルビン数については純正ハロゲンランプと同等の3000K~5000Kが相応しいです。ケルビン数が6000K以上になると発光色が青みがかり、車検に通らない可能性があります。
・取り付け位置
照明部の上縁の高さが地上から80cm以下、すれ違い用前照灯(ロービーム)の照明部の上縁を含む水平面以下、下縁の高さが地上25cm以上と定められています。
・その他
レンズの損傷や著しい汚損がないこと、点滅しない、消灯できること
●LEDに交換しても車検に通るか
最近は、バイクでもLEDが純正ランプとして採用され、人気のカスタム化のひとつです。LEDは、電気を流すと発光する半導体の発光ダイオードで、クルマでは軽でも使われるほど普及しています。ハロゲンより明るく、最大の特徴は15年という圧倒的な長寿命で、消費電力が非常に少ないことです。一方、課題は価格が高いことです。
上記の保安基準を守りさえすれば、LEDだからHIDだからダメということでなく、何の問題もありません。むしろ、ショップに飾ってあるフォグランプの多くは、LEDです。ただし、一般的なLEDランプは、複数個のLED発光素子を組み合わせたマルチチップタイプなので、その中のひとつでも発光しなくなると、球切れとみなされ車検に通りません。
自動車でもバイクでも、時々違法な青色やオレンジ色のフォグランプを見かけますが、ほとんどは規制の緩い外国製です。市販品でカスタマイズする際には、その製品が保安基準に適合しているかどうか、確認して装着しましょう。「車検対応品」や「保安基準適合品」と記載されていれば安心です。
(Mr.ソラン)