ブレーキのメンテナンスとは?ブレーキパッドとディスクローターのチェックがポイント【バイク用語辞典:メンテナンス編】

■走行とともに摩耗するブレーキパッドとローターは、厚さの変化で確認

●交換の目安は、ブレーキパッドが5,000~1万km、ディスクローターが4万~5万km

高性能化が進むバイクで、安全に止まるためにブレーキの性能は重要です。現在主流となっているディスクブレーキシステムの中でも、実際に摩擦によって制動力が発生するブレーキパッドとローターは特に重要です。

消耗品であるブレーキパッドとローターのメンテナンスについて、解説していきます。

●ディスクブレーキの仕組み

ブレーキシステムには、ディスクブレーキとドラムブレーキがありますが、コントロールしやすく制動力が安定しているディスクブレーキが現在主流となっています。

ディスクブレーキの作動原理
ディスクブレーキの作動原理

ディスクブレーキは、ホイールと一体となって回転するディスクローターと、それを挟み込んで制動するブレーキキャリパーで構成されます。ブレーキレバーやブレーキペダルの操作によってマスターシリンダーで生じたブレーキ油圧がキャリパーピストンを押して、ピストンに取り付けられているブレーキパッドがディスクを挟み込む仕組みです。

ブレーキパッドとディスクローターは、両者間の摩擦力で制動力が発生するので消耗部品であり、消耗具合をチェックしてメンテナンスします。

●ブレーキパッドとローターの摩耗

ディスクローターとパッド
ディスクローターとパッド

ブレーキは、バイクの安全に関わる重要な部品なので、分解整備は認証看板または指定看板を掲げている整備工場に任せましょう。ただし、ブレーキパッドとローターの摩耗具合は目視でチェックできるので、初心者でも交換時期を知ることができます。

ブレーキパッドはプレートに摩擦材を貼付した構造で、素材は金属粉や繊維材を結合材で固めたセミメタルパッドが主流です。高性能バイクにはメタルパッドが使われることもあります。ディスクローターは主にステンレス製で、軽量化や放熱性のために穴がたくさん開いた円盤です。いずれも走行距離とともに、少しずつ表面が摩耗します。

●ブレーキパッドを交換するタイミングは

ブレーキパッドとローターは、偏摩耗したり、限界まで摩耗が進んだりすると、ブレーキの効きが悪くなったり、「キーキー」といった異音が発生します。この場合は、危険なのですぐにパッドとプレートを交換する必要があります。

・ブレーキパッドの交換時期

新品のブレーキパッドの厚みはメーカーによって異なりますが、通常は10mm程度あり、走行とともに徐々に摩耗して厚みが5mmぐらいまで減少すると交換が必要です。3mmぐらいまで減ると危険ゾーンで、ブレーキが効かずに大事故になる恐れがあります。また、パッドの表面には溝が刻まれており、溝がなくなったときも交換時期です。

走行状況によって、摩耗の進行は異なりますが、走行距離5,000~1万kmが交換の目安です。

・ディスクローターの交換時期

ディスローターは、パッドに比べると寿命は長く、交換時期の目安は4万~5万kmです。

ローターに傷があったり、波打っている場合も交換が必要です。ローターには交換時期を示す厚みが刻印されているので、自分で厚みを計測して交換時期を知ることができます。

その他、ブレーキオイルのメンテナンスも重要です。オイルはマスターシリンダーで圧縮膨張を繰り返し高温になるので、走行とともに劣化します。劣化するとレバーやペダルの制動力がキャリパーに素早く適正に伝えられなくなるので、走行距離1万km、または1年ごとの交換が必要です。


ブレーキシステムを整備分解することは、資格のないユーザーでは禁止されています。ユーザーができるのは、摩耗具合を確認して交換時期を判断することだけです。ブレーキパッドとローターは目視でチェックできるので、5,000kmに1回程度は確認するようにしましょう。

(Mr.ソラン)

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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