費用を意識する人が多数! 次の「車検」までに買い換えるつもりでクルマを購入した人が38%

■車検代を意識している人が多数

クルマを維持する費用の中でも、大きな出費になるのが車検(自動車検査登録制度)。当然、有効期限までに通さないとクルマに乗り続けられないわけですが、ユーザーの多くは車検についてどんな意識を持っているのでしょうか?

月額定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイルでは、自家用車を持つ全国の男女1385人を対象に、「車検を通したことがあるか」や「車を買い替えず車検を通すか」の判断基準などについて調査を実施。

一般的な車検の出費額から、そもそも車検を通さずに乗り換えるつもりでクルマを買う人も38%もいることなどが分かりました。

●車検代を高価に感じている人も多い

今回の調査は、2021年2月17日〜3月1日の期間に、インターネットにより行われました。

まず「これまで車検を通したことがありますか?」という質問に対し、「車検を通したことがある」と答えた人は92.8%(1285人)、「車検を通したことがない」人は7.2%(100人)という結果になりました。

次の車検までに買い換えるつもりでクルマを購入した人が38%
車検を通したことがあるかどうかの調査結果(出展:ナイル)

次に「車検を『する』か『しない』の判断基準は何ですか? 」という質問に対しては、最多だったのが「車検代」の29.4%。つまり、車検費用によって愛車を車検に通すかどうか決める人が一番多いようです。

しかも、回答者の中には「値段が高い」「中古車が購入出来るくらいに修理費がかかる場合がある」などの意見もあり、車検代を高価に感じている人もかなりいることが分かります。

次の車検までに買い換えるつもりでクルマを購入した人が38%
車検をするしないの判断基準などの調査結果(出展:ナイル)

また、ほかの回答では、2位「新しい車が欲しくなった」21.9%、3位「走行不可・劣化」18.6%、4位「(年式や車に乗っていた)年数」13.9%、5位「走行距離」5.0%、6位「免許返納」2.3%などが続きます。

なお、4位の「年数」や5位の「走行距離」という回答の中には、「10年以上乗った」「15年以上乗った」「走行距離が10万kmを超えた場合」などの意見がありました。

クルマは年式が古くなると、たとえば毎年支払う自動車税なども、初年度登録から13年が経過すると値上がりします。ほかにも、劣化などにより交換が必要な部品も増えて費用がかさむことも多いため、その前に乗り換える人もある程度いるのでしょうね。

●車検代の最多は「10万〜14万9999円」

調査ではさらに、前述の車検を通したことがある人1285人に「車検での出費はいくら位でしたか? 」と質問したところ、最多は「10万〜14万9999円」の39.6%、次に「5万〜9万9999円」の33.6%という結果になっています。

次の車検までに買い換えるつもりでクルマを購入した人が38%
車検代に関する調査結果(出展:ナイル)

10万円を超える車検代を支払っている人が最も多いわけですが、車検にはそもそも法定費用(自賠責保険・自動車重量税・印紙代)や車検基本料、部品交換費用などが必要ですから、ディーラーなどで車検を受ける場合は、やはりこれくらいは必要ですよね。

最後に、調査では「次の車検で乗り換えるつもりで車を手に入れたことがあるか」という質問も行っています。

結果は、「いいえ」と回答した方が62.0%で、「はい」と回答した方が38.0%。一定数の人が「初めから次の車検時での乗り換えを検討」してクルマを取得しているということも判明しました。

次の車検までに買い換えるつもりでクルマを購入した人が38%
次の車検で乗り換えるつもりでクルマを購入した人の割合(出展:ナイル)

こういった人たちは、恐らく高額な車検代を出すよりも、新車を購入して3年以内に乗り換える方が得だという考え方なのでしょう。

実際、最近は新車購入時にディーラーなどで3年契約の残価設定ローン(残価設定型クレジット)を組む人も多いようです。残価設定ローンとは、購入契約時から一定年数後のクルマの価値(=残価)を車両購入価格から差し引いた金額を分割返済していくローンのことです。

通常のローンよりも、月々の支払いが安くすむなどの利点があり、近年は利用者が増えているようです。

残価設定ローンの契約期間には、3年、5年、7年といった車検前に乗り換えを前提にしたものが一般的で、3年の場合は最初の車検前に乗り換えるかどうかを決めます。もちろん、そのまま乗り続けてもいいのですが、その場合は残価分を支払うか再度ローンを組む必要があるため、残価を下取り価格にして、次のクルマに乗り換える人も多いようです。

ひょっとしたら、今回の調査でクルマを購入する際に「次の車検時での乗り換えを検討」していると答えたユーザーの中には、残価設定クレジットを利用している人もいるのかもしれません。

次の車検までに買い換えるつもりでクルマを購入した人が38%
車検には部品交換費用や法定費用、車検基本料なども掛かり、一度に大きな出費となるケースが多い

ともあれ、車検には「5万円〜14万9999円」くらいの金額が一度に必要になり、車検を通すかどうかを考える際には車検代を意識する人が多いことが、今回の調査で明らかになりました。

そういった背景もあり、調査を行ったナイルが行っているカーリースをはじめ、カーシェアリングやサブスクリプションなどが最近注目されていると考えられます。

(文:平塚 直樹 *写真は全てイメージです)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
続きを見る
閉じる