世界初の海底トンネル、関門国道トンネル貫通。インドのベストセラー、マルチ・スズキ「バレーノ」デビュー!【今日は何の日?3月9日】

■スイフトの兄貴分として登場したバレーノ

3月9日は、語呂合わせで「感謝の日」、「サンキューディ」です。今日ぐらいは、「いつもありがとう」と感謝の気持ちを伝えたいですね。

また、1958(昭和33)年のこの日、山口県下関と福岡県門司の間の海底トンネル道路「関門国道トンネル」が開通しました。世界初の海底トンネルで、全長3461m(海底部分は780m)の車道と人道の2階建てのトンネル。1942年には鉄道トンネル、1975年には新幹線用の新関門トンネルが開通しました。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょう?

2016(平成28)年3月9日、スズキからコンパクトハッチバックの新モデル「バレーノ」が発売されました。インドの子会社「マルチ・スズキ」から初めて調達したモデルです。

1983年のマルチ800
1983年のマルチ800

マルチ・スズキは、1983年にスズキが資本参加して設立した「マルチ・ウドヨグ」が前身、その後2002年に資本比率を54%に引き上げたスズキの子会社です。1983年発売の「マルチ800」の大ヒット以降、スズキは現在もインドで圧倒的なシェアを誇っています。

2016年発売のバレーノ
2016年発売のバレーノ

バレーノは、マルチ・スズキのマネサール工場で生産され、日本や欧州に供給されたグローバルモデルです。そのコンセプトは、デザイン、環境性能、走行性能、安全性能の高次元の調和で、「スイフト」の兄貴分に相当します。

2016年発売のバレーノ(内装)
2016年発売のバレーノ(内装)

1.2L NA(無過給)エンジンと1.0L 直噴ターボ(同年5月発売)を搭載。ボディには高張力鋼板を全体の46%採用し、軽量化と高剛性の両立を図っています。また、ミリ波レーダーを使った緊急ブレーキサポート(AEB)や車間距離を保ちながら前走者に追従走行するアダプティブ・クルーズコントロール(ACC)も標準装備されています。

バレーノは、スズキが得意とする軽量化と剛性を両立させたモデルで、インドではベストセラーカーです。しかし、日本では月販台数が2桁台まで低迷しており、ほとんど見かけることはありません。インドでは売れても日本では売れない、途上国で作ったクルマは日本で売れないというよくあるケースですね。

毎日が何かの記念日。それではまた明日!

(Mr.ソラン)

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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