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■クルマと猫のトラブルを防ぐアクション
今や空前の猫ブーム。最近は、新型コロナ禍の影響で長引く自粛期間により、猫を飼う人の数が増えているそうです。うちの周辺でも最近、首輪をした猫が道を散歩している光景をよく目にするようになりました。かわいいですね。
そんな昨今ですが、日中は暖かくても朝晩はまだ寒い春先などに、クルマで出かける前に気をつけたいのがエンジンルーム内に入り込んだ「猫」です。
猫は、家で飼っていてもたまに外へ散歩に出かけるタイプも多く、また脱走して家が分からなくなる若い猫もいます。そして、外に出た飼い猫や近所を徘徊している野良猫が、エンジンルームなどの見えない車内で、ひっそりと寝ていることがあるのです。
そんな時、もし気づかずにエンジンをかけてしまうと、猫の命はもちろん、クルマにも重大なトラブルが起きる危険性があります。ここでは、そんな悲しい事態を防ぐための方法を紹介します。
●なぜ猫はエンジンルーム内に入る?
まず、なぜ猫はクルマのエンジンルームなどに入ってしまうのでしょうか? ロードサービスを手掛けるJAFによると、猫は「暖かい場所や狭い場所を好むから」だといいます。
駐車しているクルマのエンジンルームは風雨が入りにくく、周辺に比べて暖かい場所だといえます。また、暗く狭い空間であり、駐車場は人の往来も多くないため、警戒心の強い猫にとっては、安心できる条件が揃っているのだといいいます。
でも、なぜJAFが猫のそんな習性に詳しいのでしょうか? JAFによると、動物がエンジンルームにが入り込んだために起こったトラブルで出動するケースは、毎年一定数あるそうです。たとえば、2019年1月の1か月間では27件あり、そのうち25件が猫。全ての動物の中で圧倒的に猫が多いため、おのずと原因となる猫の習性も分かってきたのでしょう。
なお、2020年1月の1か月間でも、エンジンルームに猫が入り込んだために出動した件数は42件。2019年よりも増加している上に、そのうち9件はエンジン始動後に発覚しているといいます。
●トラブルが起こるのは冬だけじゃない
さらに、JAFによれば、猫がエンジンルームに入り込むトラブルは、寒い季節に限らないといいます。それは、JAFに要請がきた同様のトラブルは、冬でも暖かい沖縄でも発生しているためです。つまり、一年を通して起こる可能性があるのです。
なお、JAFに要請が来た過去の例では、猫だけでなく、ネズミやヘビ、鳥が巣を作ったといった例もあったそうです。
そして、そういった動物たちがエンジンルーム内に入っていることに気づかず、クルマを始動してしまうと、エアコンやパワーステアリングなどのベルト周辺にいる場合は、そのまま回転部分に巻き込まれることもあります。
また、気づかないまま、しばらくクルマに乗り続けると、エンジン音の異変や異臭がして、故障などの原因となるケースもあります。
前述の通り、動物の命だけでなく、クルマの故障にも繫がるダブルで悲しい事態となってしまうのです。
●ボンネットを数回叩く
そして、そういったトラブルを防ぐ方法のひとつが、「猫バンバン」です。
これは、クルマに乗り込む前にボンネットを「バンバン」と数回叩くことで、猫などの動物がエンジンルーム内に入り込んでいないか確認するアクションのことです。
警戒心の強い猫は、この音に驚いてクルマから飛び出してくる可能性があります。また、出てこなくても、耳を澄ますと鳴き声が聞こえる可能性もあります。特に、子猫などは、狭い隙間から入ったはいいけれど、出口が分からなくなっていることもあります。
もし、「みゃー」といった声が聞こえたら、まずはボンネットを開けてみましょう。どこかに、かわいい姿が見つかるかもしれません。
ほかにも、エンジンをかける前にクラクションを鳴らすことも効果があるといわれています。また、駐車場周辺でよく猫を見かける場合は、日常的にクルマに近づけない対策も大切です。特に、屋外でクルマを保管する場合は、市販の猫避けグッズや忌避剤(臭いなどで近づけさせない薬剤)を使う方法もあります。
ちなみに、日産自動車では、こういった猫バンバンの大切さを世間に知ってもらうことを目的に「#猫バンバンプロジェクト」を行っています。公式サイトでは、50匹のかわいい「猫バンバン ロゴ」が無料でダウンロードできるため、クルマなどに貼れば猫バンバンの取り組みをほかのドライバーにも広めることができます。
興味がある人は、ぜひサイトを覗いてみて下さい。
(文:平塚直樹 *写真は全てイメージです)
【関連リンク】
日産:#猫バンバンプロジェクト公式サイト
http://www.nissan.co.jp/SOCIAL/CAMP/NEKOBANBAN/