新型ホンダ・ヴェゼルは上質なインテリアに、先代よりも開放感のある前後シートも見逃せない

■包まれ感と開放感のバランスが絶妙な前後シート

ここでは、新型ホンダ・ヴェゼルのインテリア、パッケージングをチェックします。

「全席すべてに爽快な視界を提供する」のを狙いとしていて、水平基調のインパネは、しっかり芯の通った塊感、ソリッドな造形が採用されています。同時に、インパネ上辺の視界を妨げる要素を減らしたそうです。

ホンダ ヴェゼル
新型ヴェゼルのインパネ。写真はブラック

特徴的なのがエクステリアと同様に、高い質感を抱かせることで、身体が触れる部位には柔らかな触感の素材が使われ、同クラスではかなり広範囲に分厚いパッド類が用意されています。

ホンダ ヴェゼル
インテリアカラーはブラックの「X」「Z」のほか、写真の「PLaY」には、明るい雰囲気のグレージュを用意する

使用頻度の高い操作系は、ステアリングスイッチを含めて上方に配置され、手を自然に伸ばした場所に用意されています。ユニークなのが新開発エアコンと吹き出し口で、車内にそよ風のような、心地良く優しい風の流れを生み出し、外気の熱や寒さをカットする役割も果たすそう。

パッケージングでは、先代と同じようにセンタータンクレイアウトが採用されています。

ホンダ ヴェゼル
新型ヴェゼルのフロントシート

前席はBセグ以上Cセグ未満と考えると、シートサイズはなかなか大きい印象。適度な包まれ感が心地良く、しかも大きめのシートサイズにより窮屈な印象を受けないのが美点です。

後席は、前席下に燃料タンクを配することで、フロアが前に行くほど高くなっていて、床全体が広いのはもちろん、前側(前席下)はオットマンに足を置いたような姿勢になるのが美点です。もちろん、前席座面下への足入れ性も抜群。

ホンダ ヴェゼル
新型ヴェゼルのリヤシート

なお、身長171cmの筆者が運転姿勢を決めた後ろには、膝前にこぶしが縦に3つ近く、頭上には1つ半程度の余裕が残っていました。また、リヤシートは先代と同様にスライドしないものの(N-BOXのようにスライド&ダイブダウン&チップアップはしない)、ダイブダウンにより後席格納時は、低く前倒しが可能。

ラゲッジスペースでは、現時点では荷室容量は明らかにされていませんが、荷物の積みやすい大きな開口部にするのと同時に、テールゲートの開き方(ヒンジ)を工夫することで、大開口なのに開け閉めしやすい設計が採用されています。

テールゲート部分を外から眺めると下半分はスクエアな形状になっていて、上側はかなり角度が寝かされています。また、チップアップにより後席座面を跳ね上げて固定することで、大きな荷物を飲み込みます。

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ホンダお馴染みの「ECON」スイッチは、レバースイッチ式の走行モードに組み込まれた

先代も後席は広かったものの、ウエストライン(ベルトライン)が高めで、空間自体が広い割に少し包まれ感が強かった点がかなり改善されています。今回、開放感を高めるパノラマルーフも用意されたのも「全席すべてに爽快な視界を提供する」ためのひとつといえそうです。ほかにも、高音質オーディオシステムがタイプ別にメーカーオプション設定され、臨場感あふれるサウンドを享受できるとのこと。

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年6回自動的に地図データが自動更新される「自動地図更新サービス」。更新されると、地図画面左下に青いマークが表示されるそう

コネクティビティでは、新世代コネクティッド技術が搭載された車載通信モジュールの「Honda CONNECT(ホンダコネクト)」により、ホンダ初の機能として年に6回、ナビの地図データが自動で更新される「自動地図更新サービス」をはじめ、Honda eでも採用されているスマホがキー代わりになる「Hondaデジタルキー」、多彩なアプリを用意する「Hondaアプリセンター」、車内でデータ通信量を購入することでネット接続を楽しめる「車内Wi-Fi」などが用意されています。

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新型ヴェゼルのラゲッジスペース

(文・写真:塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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