■レトロ感と近未来感を兼ね備えたフロントマスク
「バーチャルオートサロン2021」および「ダイハツ カスタマイズカー特設サイト」で紹介されているダイハツのコンセプトカーは、いずれも遊び心あふれるモデルが揃っています。
プロユースや毎日の足といった、ダイハツが支える生活インフラという価値はもちろん大切にしながら、こうしたコンセプトカーは、遊びの相棒としてのイメージを訴求する狙いといえそうです。
今回、2021年で発売60周年を迎えた軽商用車のハイゼットが2台、ベースとして選択されています。
「ハイゼット ジャンボ キャンパーVer.」は、2代目のハイゼットキャブをオマージュして製作されています。ダイハツ デザイン部 第1デザイン室の米山知良氏によると、オフロード用タイヤを履き、ハイゼットの車高を上げたこちらのコンセプトカーは、キャブオーバー型になった最初のモデルである2代目ハイゼットから着想するのがふさわしいと考えたそう。
とはいえ、単にレトロ感を狙いたかったのではなく、丸目のLED、点灯するダイハツのエンブレムなどを使いながら未来感を演出。昔の板金の雰囲気を出すため、差し色を採用。シートは3代目ハイゼットに設定されていたという赤いシートからインスピレーションを得てレッドシートが用意されたそうです。
また、60周年ということもあり「還暦の赤」というイメージも重ねられているとのこと。
最大の見どころは荷台、部屋のようなフローリングになっています。フローリングといえば、3代目ステップワゴンを思い起こす方も多いかもしれません。キャンピングカーの世界ではフローリングは珍しくなく、大ブームとなっているキャンプの相棒として、同コンセプトカーをベースに市販化されれば注目を集めそう。
実際にトラックキャンパー(トラキャン)のニーズも高まっています。
もちろん、動く部屋としても使えますから寝るだけでなく、リモートワークの拠点としても活躍してくれそうです。
コンセプトカーなのでこのまま市販化ということは考えにくいですが、キャンピングビルダーがこうした簡易キャンパーを出しても不思議ではなさそうな完成度に見えました。
(文・写真:塚田 勝弘)