イケヤフォーミュラ・IF-02RDS、日本発のスーパーカー!2021年には高性能な市販モデルが登場予定【東京オートサロン2021】

■オートサロン展示予定車140台、富士スピードウェイでリベンジ展示!

1月15~17日に開催予定だった世界屈指のカスタムカーの祭典『東京オートサロン2021』は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて中止となってしまいました。ですが1月16~17日の2日間に、オートサロンに展示予定だった約140台の車両が富士スピードウェイに集結しました。

その中から注目したクルマを紹介してきます。

●IF-02RDS【イケヤフォーミュラ】

LMPカーを彷彿させるボディデザイン。量産モデルではフルカーボン化される予定。

栃木県にある株式会社イケヤフォーミュラが2017年に製作したオリジナルレーシングカー『IF-02RDS』。同年の東京モーターショーで車検取得済みの公道走行可能のレーシングカーとして注目を集めたクルマです。

イケヤフォーミュラの主な事業は、フォーミュラーカーおよび競技向けのパーツの開発・生産。

主な製品としては、サーキット走行において、より素早いシフトチェンジが可能となる「シーケンシャルシフター」。通常Hパターンと呼ばれるシフトパターンを上下操作だけでシフトチェンジを可能とするパーツで、多くのレースカテゴリーで採用されています。イケヤフォーミュラのそれは、ボルトオンのポン付けで様々なクルマに取付可能というものです。

そういった高い技術を駆使して作られたレーシングカーがこの『IF-02RDS』です。

宇都宮ナンバーが誇らしい。昨年車検を受けて何事もなく無事通過したという小話も聞けた。
実はこのクルマには兄弟車が存在する。『アスパークOWL』という和製電気ハイパーカーである。

ル・マン24時間のLMPクラスを彷彿させるFRP製ボディのミッドシップには、ホンダの名機K20Aにターボを組み合わせたユニットが搭載されており、約350馬力発揮します。このエンジンパワーを伝えるのがイケヤフォーミュラ自慢の「イケア・シームレス・トランスミッション(IST)」。

インテリア。かつてのフォーミュラカーやプロトタイプレーシングカーの様に右側にシーケンシャルシフターが配置されている。
車両側面。緻密な計算によって設計されたエアロはサーキット走行において絶大な効果を発揮するだろう。

ISTの特徴は、独自開発のドグクラッチによって変速する前後のギアの回転差を利用した機構で、加速の途切れをなくしています。現在の2ペダル式ミッションの基本的な機構であるツインクラッチ式と同じ特性を、シングルクラッチ式で実現しています。これによってメカニズムの複雑化の回避、コストダウン、軽量化も可能としています。

ホイールはTWSの鍛造19インチを採用。タイヤはミシュランパイロットスーパースポーツが装着されている。
ホンダ・K20Aにターボチャージャーを装着したユニット。

現在は、このIF-02RDSをより発展させた後継モデル『IF-03RDF』を開発中とのことです。

『IF-03RDF』は、エクステリアは『IF-02RDS』と基本的には共通ですが、FRPからフルカーボンボディになるそうです。また、エンジンがISTとともに開発を続けているオリジナルエンジン「IF-V10E」という4.0L V10エンジンが搭載予定です。このエンジンは高性能であることは勿論として、レーシングカーというものを表現するものとして欠かせない「音」に拘った開発をしています。かつてのF1カーの3.5L V10エンジンのサウンドを目標しているそうです。

少数ながら量産も視野に入れており、最終的にはル・マン24時間レース参戦を目標にしています。

(文:栗原 淳)