■2021年のアウディは主力のA3をはじめBEVの最高峰モデルを導入し、躍進を目指す
2021年1月13日、アウディジャパンは1月14日~5月末まで期間限定でオープンする次世代ブランドストアの「Audi House of Progress Tokyo」で2021年の年頭記者会見を行うと同時に、BEVの第二弾となるアウディe-tron 50クワトロを発表しました。
年頭の記者会見では、フィリップ・ノアック代表取締役社長から2020年の商況が発表されました。
コロナ禍にもかかわらず、2020年のグローバルセールスは対前年比マイナス8.3%の169万2773台で、多くのブランドがマイナス15%となっている中で踏みとどまりました。
一方、日本国内の販売台数は2万2304台で、対前年比マイナス8%となっています。2020年前半は2000台近いマイナスとなりましたが、後半は2019年を上回り、リカバリーしています。
日本市場で最も人気が高いのはA3ファミリーで約21.5%。次いでQ2の18.5%、そしてQ3ファミリーの11.8%となっています。中でもQ3ファミリーは2020年にフルモデルチェンジを行い、2021年さらに販売台数が伸びそうですし、主力モデルのA4もマイナーチェンジしたので、さらなる台数の上積みが期待できそうです。
そして2021年に発売予定の車種が発表されました。まずは日本市場で最も販売台数の多いアウディA3スポーツバック、A3セダンがフルモデルチェンジを行います。2021年後半には人気の高いSUVの中で、Q5がマイナーチェンジを行い、さらにQ5スポーツバックを追加。そしてQ2のマイナーチェンジも予定されています。
そしてBEVの最高峰となるアウディe-tron GTの導入も予定されています。今年のアウディは“躍”という文字をキャッチフレーズに躍進していくことでしょう。
●早くもBEVの第二弾を導入!
記者会見と同時に発表されたBEVのアウディe-tron 50クワトロは、e-tronスポーツバック55に続く第二弾のSUVとなります。
e-tron50スポーツバッククワトロはクーペ調のルーフラインが特徴ですが、e-tron50クワトロはSUVらしいルーフラインを採用し、高いユーティリティ性能が特徴となります。荷室容量はスポーツバックの616Lから660Lへと拡大しています。
搭載しているパワートレインのシステム出力は最高出力230kW・最大トルク540Nmを発生。電池容量は71kWhで満充電時の航続走行距離は316km(スポーツバックは318km)となっています。車両重量はそれぞれ2400kg・2410kgと、e-tron55スポーツバックより150kg以上軽量となっており、0-100km/h加速は6.8秒というパフォーマンスを発揮します。
車両本体価格は933万~1143万円で、ベーシックモデルのe-tron50クワトロは1000万円を切った価格設定となっています。また、e-tron50は約30万円の減税メリットがあるうえ、クリーンエネルギー自動車導入事業補助金(e-tron:23.2万円、e-tronスポークバック50:23.6万円)も受けられます。
記者会見とe-tron50が発表された「Audi House of Progress Tokyo」は今後、全世界で展開される新しいブランドストアです。ここでは、アウディブランドの歴史や哲学、アウディモデルのデザインに込められた想いなどを、まったく新しい方法で体験することができます。
プロジェクションマッピングとジェスチャーコントロールを組み合わせ、拡張現実(AR)のように本を読む体験や、壁に書かれたワードを指さすと、その位置をセンサーで検知し、その言葉に関連してアウディからの未来へ向けたメッセージが紹介されるアトラクション、そしてクルマの三次元模型に、プロジェクションマッピングでデザイン哲学を表現するなど、最新の表現方法と、タッチレスのインターフェイスを駆使したものとなっています。
2階にはラウンジがあり、1階にはコンセプトカーを展示するスペースがあり、現在はアウディQ4スポーツバックe-tronコンセプトを展示しています。このモデルも10~18ヵ月以内に導入する予定となっています。
このAudi House of Progress Tokyoではe-tronをはじめ、ハイパフォーマンスモデルのRSモデルなど最新モデルの試乗も行うことができるので、詳しくはウェブサイトで確認してください。
(文:萩原 文博/写真:萩原文博・アウディジャパン)