新型ホンダN-ONEの見た目は、キープコンセプトでもインテリアは大きく変化

■シンプルかつ機能的なインパネデザインは、ステアリングとシフトの位置が絶妙

2代目ホンダN-ONEは、エクステリアデザインをキープコンセプトとした一方で、インテリアは大きく変わっています。インパネは「ミニマルデザイン」が追求されただけあってシンプルな印象で、助手席からメーターまでワイドな設計になっていて、ワイド感が演出されています。

ホンダ N-ONE
N-ONE(RS)のエクステリア

ステアリングとシフトの位置関係もこだわり、ステアリング、シフト間の持ち替えがしやすくなっています。

初代の前席は、アームレスト付ベンチシートでしたが、新型はホールド性を重視したセパレートシートになっています。シートレールの後傾角を2度から4度にして、シートハイトの調整幅も上30mmから上下25mm(計50mm)としたことで、小柄な人でも適正な姿勢が取れます。

ホンダ N-ONE
「Premium/Premium Tourer」のインパネ

身長171cmの筆者の場合は、少しアップライトなシートポジションになりました。

なお、N-ONEは、ステアリング位置の調整はチルトのみで、テレスコピックは備わりません。N-WGNのようにテレスコピックも用意されれば、理想的な運転姿勢が取れるはず。私が運転姿勢を決めた後ろの席には、膝前にこぶしが縦に2つ強、頭上には手の平2枚程度の余裕が残ります。

さらに、インパネの造形を工夫することで、助手席足元も広くなっていてゆったり座れるのも美点です。

ホンダ N-ONE
「Premium/Premium Tourer」のフロントシート

乗降性も前後席共に良好。前後席共に座面を少し高めとすることで、身体の上下動が少なくすんでいます。また、ドアの開口部は大きく、とくにリヤドアは90度近くまで大きく開きます。

身長171cmの筆者は比較的楽に乗り降りできました。ほかにも燃料タンクを前席下に配置したセンタータンクレイアウトにより、後席と荷室の床面は低く、しかもフラットになっているのもほかのNシリーズと同じように美点になっています。

ホンダ N-ONE
後席座面のチップアップが可能で、背の高い荷物を積むだけでなく、着替えや靴の履き替えなどが容易にできる

シートアレンジでは、Nシリーズなどホンダ車でお馴染みの後席座面のチップアップをはじめ、左右分割可倒式のダイブダウン機構により、荷室とシート部分の間に段差が残るものの奥行きを拡大できます。

リヤシートは、座面のチップアップが可能な一方で、前後スライドはできず、リクライニングのみとなっています。4人乗車時は荷室の奥行きは拡大できません。しかし、2人までであれば荷室奥行きを拡大できますし、地上から開口部下端までの高さも抑えられていますから、大きな荷物の積載性も高そうです。

(文:塚田 勝弘/写真:前田 惠介)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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