フォルクスワーゲン・ティグアンは、SUV3兄弟の中で最も重厚感と高級感のある乗り味が魅力

■ティグアンは、SUV3兄弟で低速域の当たりが最もマイルド

フォルクスワーゲンの世界における生産台数のうち、約1/4がSUVになっているそうで、2025年までにEVも含めて世界で30モデル以上のSUVを投入するそうです。現在、日本ではトゥアレグが販売終了となっていて、ティグアンが日本市場における最上級SUVになっています。

T-Cross、T-Roc、ティグアンという3モデルのSUVを展開するフォルクスワーゲン。2020年12月にSUVを中心としたプレス向け試乗会が開催され、別の機会も含めて乗り比べる機会がありました。

フォルクスワーゲン ティグアン
フォルクスワーゲン・ティグアンのエクステリア

ここで取り上げるティグアンのボディサイズを確認すると、全長4500×全幅1840×全高1675mm、ホイールベースは2675mm。弟分のT-Rocは、全長4240×全幅1825×全高1590mmで、ホイールベースは2590mm。ティグアンの方が260mmも長く、25mmワイドで、85mmも高くなっています。

フォルクスワーゲンのSUVの中で最も着座位置が高く、見晴らしもいいティグアン。人気なのは後から追加されたディーゼルエンジン搭載モデルで、4WDとの組み合わせによる機動力の高さが光ります。

フォルクスワーゲン ティグアン
「ティグアン TDI 4モーション ハイライン」のリヤビュー

試乗した「ティグアン TDI 4モーション ハイライン」の車両重量は1730kgで、T-Rocと同じ150PS/3500-4000rpm、340Nm/1750-3000rpmの2.0L直列4気筒ディーゼルターボを搭載。同じ日に同じコースを中心に試乗した「T-Roc TDI Rライン」は1730kgですから、その差は300kgとティグアンはかなり重くなっています。

車両重量が重く、ロングホイールベースであるティグアンは乗り心地にも重厚感があり、T-Rocやさらに小さなT-Crossよりも路面から伝わる微振動は抑えられていて、最も快適で高級感のある乗り味が印象的です。さらに、直進安定性も3モデルの中で最も良好に感じられます。

300kg重くなったことで動力性能への影響も懸念されますが、郊外路やワインディングでもそれほど不足はなく、燃費にも優れたエンジンとして納得できる仕上がり。

フォルクスワーゲン ティグアン
ティグアンのインパネ

JC08モード燃費は17.2km/L。キャビン、ラゲッジスペースの広さは十分に確保されていて、前後席の左右間(横方向)や後席にニースペースなども当然ながらT-CrossやT-Rocよりもひと回り以上の余裕があります。

加えて、荷室容量も通常時で615L、最大時は1655Lまで拡大しますから、家族4人で荷物を満載してキャンプやスキーなどの出かけるといった使い方にもマッチします。ワイドな全幅などサイズは大きめではありますが、最小回転半径は4WDもFFも5.4mで比較的取り回ししやすいのも美点といえそうです。

フォルクスワーゲン ティグアン
4MOTIONアクティブコントロール用ダイヤルで、状況に応じた切り替えが可能

(文・写真:塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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