愛車が突然のパンク!! でも、JAFに入っていて本当に良かった話(実話)

■カートラブルで困った時に頼りになるのはJAF? 自動車保険のロードサービス?

冬本番、気温が下がり路面が凍結するなど、クルマにとっては厳しい環境になります。予期せぬカートラブルが多く発生するのも冬の季節の特徴です。

先日、筆者は15年以上クルマを使っていて初めてパンクトラブルを経験しました。パンクの現場は田園風景が広がる何もない道端です。カートラブルで危機的状況になった時、本当に助かるのは何のサービスなのか、実体験をもとに考えていきます。

●カートラブルに遭った時にまず行うこと

クルマの異変は突然やってきます。音や振動、警告灯の点灯など、その症状は様々です。運転中は、常にクルマの異常を感じられるように、周囲にもクルマの様子にも気を配っておきましょう。

筆者が国道から県道へ入り、山岳地帯にある道の駅へ向かっている最中に、異変は起こりました。車両の左後方から「ガツガツ」と音が発生します。音は周期的に鳴り続け、その周期はクルマのスピードに比例していることがわかりました。道路沿いの駐車場へ緊急避難しリアタイヤを見てみると、タイヤがペチャンコに潰れていました。

パンク
突然襲い掛かるカートラブル。気を付けていても防ぎきれないものが多くあります。

まずは、状況を確認し、その場でできうる対処をしましょう。

パンクの際にはスペアタイヤがあれば、安全で平坦な場所を探してスペアタイヤに履き替えます。しかし、愛車のプリウスにはパンク修理キットしか積まれていません。パンクの状態を把握するため、パンク修理キットの補修材を抜き取り、エアーコンプレッサーだけを作動させ、タイヤに空気が充填されるのか検証しましたが、空気を入れた途端すぐに抜けていき、タイヤの傷は想像よりも大きいことが判明します。

この状態ではパンク修理キットを使っても、走行可能な状態にはならないだろうと判断し、レッカーを要請するため各所へ連絡を取ることにしました。

●ロードサービスは様々あるが、「トラブル」ではなく「事故」が起きないと対応できないサービスが多い

まず思いついたのが、自動車保険の特約になっているロードサービスの利用です。最近ではスマホアプリでユーザーの現在地を特定し、すぐにロードサービスを向かわせてくれます。しかし、電話をしたところ、走行中にパンクだけが発生した状態では、特約付帯のロードサービスが使えないという回答がきました。

パンクが原因で、モノにぶつかったなどの事故が発生した場合は利用できるという話でしたが、今回は走行中のパンクのみで、事故は発生していません(対応は各保険会社の特約条項により異なります)。

次に、ロードサービスが付帯されているクレジットカード会社へ連絡しましたが、今回は保険会社と同じ回答でした(対応は各カード会社により異なります)。

そういえば、JAF会員だったなと思い出し、最後の砦であるJAFに連絡をしました。対応はスムーズで、パンクして自走できない状態にあると伝えると、すぐに近くのJAFと連携したレッカーサービスを手配してくれて、現場まで来てくれました。

レッカー移動
ほとんどすべてのカートラブルに対応できるのがJAFです。会員であれば、そのほとんどのサービスが無料で使えます。

JAFならスペアタイヤへの交換や、その場で修理可能な軽微なパンクであれば現場修理も行ってくれます。今回はスペアタイヤなし、修理不可ということで、タイヤ交換ができるお店までレッカー移動してもらえることになりました。

JAF会員なのでレッカー費用は無料です。なんとか10km離れたカー用品店までレッカー移動してもらい、タイヤ交換を行いました。

今回、自動車保険のロードサービスが使用できない条件や、JAFが対応できるカートラブルの守備範囲の広さを体感することができ、改めてJAFのありがたさを感じることができました。

●JAFと自動車保険ロードサービスの違い

今回、カートラブル時の強さを再認識したJAFのサービスについて確認しておきましょう。

自動車保険のロードサービスとの違いとしては、パンク応急修理、タイヤチェーンの脱着、雪道・ぬかるみからの引き上げ、自然災害に起因した事故や故障にまで対応できる点が挙げられます。

また、自動車保険が各クルマに対してかけられているのに対し、JAFは「人(=加入者)」に対してかけられています。そのため、レンタカーや会社のクルマの使用中や、友人のクルマを使用している際でもJAFのサービスを使用ができますし、JAF会員の自分が運転していなくても、同乗者としているだけでJAFサービスを無料で使用できるのです(一部JAF会員でも料金がかかるサービスあり)。

自動車保険証券
自動車保険に特約付帯されたロードサービスをパワーアップさせる機能ももっているのがJAFです。

JAFに加入していても、自動車保険のロードサービス自体が無駄になることは無く、「自動車保険+JAF」で無料サービスの適用範囲の拡大が行われ、けん引距離の延長・無料サービスの回数制限撤廃など、ロードサービス内容が優遇されます(JAF会員限定の優遇サービス内容は各損害保険会社により異なります)。

JAF会員になるためには、入会金2,000円と年会費4,000円がかかります(自動振替や複数年分の一括納付により、入会金の割引制度あり)。年会費の支払いで二の足を踏みそうになりますが、実際に非会員でJAFロードサービスを受けることになると、バッテリー上がり13,130円、パンク13,330円、キー閉じこみ15,230円などとなっており、JAF会員であればこれらのサービスが無料で受けられます。

これが非会員の場合、年会費の単純比較で、たった1回のJAF利用だけで、JAF会員3年分と同等のサービスを受けたことになってしまうのです。

無料ロードサービスは、自動車保険やガソリンスタンドのクレジットカードなど、たくさんありますから、わざわざJAFに入る必要はないと思われるかもしれません。しかし、カートラブルの中で最も多いマイカー単独での事故に起因しないトラブルには、対処できない無料ロードサービスが意外に多くあります。

どんな時にでも、クルマのトラブルなら飛んできてくれるJAFへの加入は、クルマを使用する中での安心、安全を手に入れる最善の方法なのかもしれません。

(文・写真:佐々木 亘)

この記事の著者

佐々木亘 近影

佐々木亘

大学卒業後、銀行員になるも3年で退職し、大好きだった車の世界へ足を踏み入れました。自動車ディーラー営業マンへ転職し、レクサス・セールスコンサルタントとして自動車販売の現場に7年間従事します。
現在はフリーライターとして独立し、金融業と自動車ディーラーでの経験を活かして活動中です。車にまつわる金融・保険・法規などの、小難しいテーマを噛み砕き、わかりやすい情報へと変換して発信することを心がけています。常にエンドユーザーの目線に立った、役立つ情報を届けていきたいと思います。
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