トヨタの2代目FCV新型ミライは、走れば走るほど空気がきれいになる!?

■自動運転支援システムの「Advanced Drive」、自動駐車支援システムの「Advanced Park」も設定

2020年12月9日に発表された、FCV(Fuel Cell Vehicle/燃料電池自動車)の新型トヨタMIRAI(ミライ)。

グレード展開は、標準グレードの「G」、上級グレードの「Z」となっています。さらに、各グレードに、居心地の良い後席空間にこだわり、高級車としてのゆとりをさらに向上させる「エグゼクティブパッケージ」が設定されます。

トヨタ・ミライ
新型トヨタ・ミライのエクステリア

価格は、「G」が710万円、「G“A Package”」が735万円、「G Executive Package」が755万円、「Z」が790万円、「Z “Executive Package”」が805万円となっています。「G」には、「Toyota Teammate Advanced Park」などが装備された「Aパッケージ」も設定。なお、Advanced Drive装着車の価格は未定となっています。

トヨタ・ミライ
新型ミライのインパネ

ここでは、装備をチェックします。

足まわりでは「Z」系と「G“A Package”」が235/55R19タイヤ&19×8Jアルミホイール(スーパークロームメタリック塗装)が標準になります。また「Z」系には、245/45ZR20タイヤ&20×8 1⁄2Jアルミホイール(ブラックスパッタリング塗装・ブラックナット付) がオプションで設定されます。「G」と「G “Executive Package”」は、235/55R19タイヤ&19×8Jアルミホイール(シルバーメタリック塗装) になります。

先進安全装備では、全車に「トヨタ・セーフティ・センス」が標準装備され、「Z」系はアダプティブハイビームシステム(AHS)が標準、「G」系はオートマチックハイビーム(AHB)が標準。そのほか、ブラインドスポットモニター、インテリジェントクリアランスソナー、リヤクロストラフィックオートブレーキ(パーキングサポートブレーキ)が全車に標準装備されます。

トヨタ・ミライ
交差点右折時の直進車両、右左折時に前方から来る歩行者を検知し、衝突回避・被害軽減を支援する

「トヨタ・セーフティ・センス」は最新バージョンが搭載されます。

衝突被害軽減ブレーキの「プリクラッシュセーフティ(PCS)」は、交差点事故に対応。交差点右折時の直進車両、右左折時に前方から来る歩行者を検知し、衝突回避・被害軽減を支援する機能です。

さらに、衝突回避操舵支援車道の歩行者に対して、車線を逸脱しない範囲の操舵アシストを行い、ドライバーの衝突回避を支援します。ほかにも、レーダークルーズコントロールの新機能として、カーブ走行速度抑制機能を用意。こちらは、カーブ走行時、システムが速度抑制を必要と判断した場合、ハンドルの切り始めで速度抑制を開始し、切り戻しで速度抑制を終了するもの。

トヨタ・ミライ
最新バージョンの「トヨタ・セーフティ・センス」を搭載

ドライバー異常時対応システムも用意され、レーントレーシングアシスト制御中に、体調急変などでドライバーが無操作の際、徐々に車両を減速させ、安全な停車を支援します。ほかにも、「Advanced Drive」も設定されます。

装着車はレクサスLSと同様に、2021年の発売予定で、自動車専用道路での運転において、ドライバー監視のもと、実際の交通状況に応じて車載システムが適切に認知、判断、操作を支援。車線と車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを実現する機能です。

クルマに運転操作を安心して任せられるよう基本性能を磨き上げ、常に安全を最優先に判断することでドライバーに信頼される運転操作を追求したとしています。ドライバーはアクセル、ブレーキ、そしてハンドル操作からも解放され、長時間の運転における疲労の軽減が可能となり、より周辺に注意を払った安全な運転が可能になるとしています。

「Advanced Park」の装着車も設定されます。こちらは、ドライバー監視のもと、カメラと超音波センサーを融合し全周囲を監視することで、適切に認知、判断、操作を支援する機能。

トヨタ・ミライ
自動駐車支援システムの「Advanced Park」に対応

ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジの全操作を車両が支援するとともに、俯瞰映像に車両周辺の死角や目標駐車位置などを常に表示し、安全かつ安心できるスムーズな駐車を実現するそう。

また、ユニークなのが、走れば走るほど空気をきれいにする新概念「マイナスエミッション」が採用された点で、こちらはトヨタ初の装備。発電のため、走行時に空気を取り入れ、排出するFCVならではの特徴を活かし、吸入した空気をきれいにして排出する空気清浄システムが導入されています。

トヨタ・ミライ
走ることできれいにした空気量がセンターディスプレイ上に分かりやすく表示される

具体的には、「エアクリーナーエレメント(ダストフィルター)」でPM2.5レベルの細かい粒子まで捕捉。さらに、ケミカルフィルターで有害な化学物質を除去すると共に、PM2.5の発生を抑制。また、走ることできれいにした空気量がセンターディスプレイ上で分かりやすく表示(空気清浄メーター)されます。

※記事にはプロトタイプの写真が含まれています。

(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠・トヨタ自動車)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる