元F1レーサー井出有治がカートコース「新東京サーキット」オーナーになってやりたいこととは?

■元F1レーサー井出有治はカートコース「新東京サーキット」のオーナーになりました!

●キッズカート『GO!!KART』をきっかけに、たくさんの子どもたちにクルマを操る楽しさを知って欲しい!

新東京サーキット
私、元F1レーサー井出有治はカートコース「新東京サーキット」のオーナーになりました!

2020年は『ピレリスーパー耐久シリーズ2020』のST-TCRクラスにFloral Racing with UEMATSUのドライバーとして、また全日本カート選手権ではBirel ART RAGNO Racingのチーム監督としてモータースポーツに参戦している、元F1パイロット・井出有治です。

今回は、clicccar読者の皆さま、モータースポーツ好きな皆さまへ報告させてください。

この度、私、井出有治は、千葉県市原市に構えるカートコース「新東京サーキット」のオーナーになりました!

新東京サーキット・コース全景
コース全景。2021年の年末にはレイアウト変更を行う予定です。
初代オーナーの大野さん
前オーナーのお父様で初代オーナーの大野耕治さん(左)と。10年位前かな?

縁あって前オーナーからタスキを渡され、2020年9月10日付で私が新オーナーに就き、新たな挑戦として奮闘していくことになりました。

新東京サーキットは、1977年に「千葉カートランド」の名称で千葉県四街道市に誕生し、1986年に「新東京サーキット」に名称変更、1996年に現在の市原市に移転しました。日本自動車連盟(JAF)の公認も受ける、『カートの聖地』としても有名な老舗コースです。

●カートからレーシングキャリアを積んできた井出有治の、業界への恩返し

井出有治
カートを始めた頃…高校生時代かな?

私はクルマ好きだった父親の影響もあり、子どもの頃から乗り物には興味シンシン! しかし、ポケバイに乗りたくても親から「危ない!」とのことで乗せてもらえませんでした(涙)。

雨のカート戦
カートの頃から雨男だった模様…!

ようやくカートを始められたのが15歳。そこからレースキャリアを積むごとに、レース業界のいろいろな方に助けられ、勉強や経験を積みながら2006年にはF1に乗る夢を叶えました。そして45歳になった今現在も、環境に恵まれながらレーシングドライバーとしても活動を続けています。

私が現在、全日本カート選手権にチーム監督として携わっているのは、レーサーを夢見る子どもたちのためです。4輪レースに上がる前にカートを経験してもらい、レースの仕方やタイヤマネージメント、セッティングの仕方など、今まで自分が経験したことを教え、伝えるためです。

そこにたどり着く前の子どもたちにも、カートに触れ、カートに興味を持ってもらうため、私がライフワークとして10年以上続けている活動があります。clicccarでも2018年9月・10月に取材していただいたキッズカート『GO!!KART』です。

キッズカート『GO!!KART』
私の幼少時は「危ない!」とやらせてもらえなかったカートですが、小さいころからカートの楽しさに触れて欲しいです。

子どもたちに怪我やトラブルが無いよう、インストラクターが細心の注意を払いながら、コントロールできる紐を付けた子ども用カートを使用し、アクセル、ブレーキ、風…などを経験してもらい、ひとりでも多くの子どもたちにカートを楽しんでもらえるよう、いろいろな方に賛同・協力をいただきながら続けてきました。

しかしカート場やインストラクターのスケジュール都合もあって、なかなか頻繁に行うこともできず…。

井出有治さん
キッズカート『GO!!KART』を、私のコース・新東京サーキットで開催したいのです!

私がカートコースのオーナーになったら、いつでも…とはいかないまでも、時間の許す限り『GO!!KART』をもっとたくさん開催できます。私が新東京サーキットのオーナーになった大きな理由のひとつが、この『GO!!KART』開催です。

●老舗カートコースを全盛期のような賑わいに!

新東京サーキット
老舗なため、所々に傷みが…。

新東京サーキットに来場されたことのある方はご存じかと思いますが、施設やコース、またレンタルカートが年月と共に古くなってきて…。都心からも近い『カートの聖地』新東京サーキットを、なんとか全盛期のような賑わいに復活させたい! これも、私がオーナーになった理由のひとつです。

古くなってしまったピットやタワー、ガレージなどの施設を徐々に修繕し、5年以上も使用しているレンタルカートもメンテナンスをしっかりと行い、ゆくゆくは新車へ。また、現在のコースレイアウトも2021年の年末には変更する予定です。

2021年には再び全日本カート選手権を誘致するべく動きました。そして! 全日本カート選手権2021・東シリーズの開催決定が公示されました!! 現在、開催へ向けサービスピットスペースなどを確保する作業を行っています。

現在のコースレイアウト
現在のコースレイアウト。2021年の年末に変更する予定!

コースレイアウトは、軽自動車クラスでも走れるようにコース幅も広げられたらな、と思っています。軽自動車数台でレースやタイムアタックなどができたら面白そうじゃないですか! それには、アスファルトもソレ用にしないといけないんですけど。コースはドライバーとしての目線とは違って、路面のμだけではなく、アスファルトの密度や、その下にある基礎も大切。縁石の作り方も含めいろいろと勉強になります!

しかし、3万5000坪ってものすごく広いです! その1/3以上が現在は未使用(荒地?)のまま。コースや施設の修繕が終わったら、未使用になっている空きスペースに、家族や仲間で楽しめるようなバーベキュー場やドッグラン付きのカフェもオープンさせる予定です!!

もちろん今日明日のハナシではなく、すべてに着手し完成させるまでに、少なくとも5年程度の計画を考えています。

キッズカート『GO!!KART』ではこれまで、山本尚貴、中山友貴、野尻智紀、藤波清斗、名取鉄平などのレーシングドライバーたちがインストラクターとして手伝ってくれました。みんなには本当に感謝しています。

子どもたちの憧れの現役レーシングドライバーたちが、メーカー等の仕事ではなく、自らが若い世代に「ドライビングの楽しさ」を伝える活動をすることは本当に素晴らしいことだし、そういう活動はとても大切なことだと思うんです。そして、そんな現役レーシングドライバーみんなのお手伝いを私が『GO!!KART』活動の中でやっていけたらとも思っています。

私はレーシングドライバーとしては大ベテラン!?ですが、カートコースオーナーとしては新参者です。今後、『カートの聖地』復活を目指し、全身全霊を傾注してまいります。

新東京サーキット
新東京サーキットに遊びに、走りに来てください!

皆さん、これから生まれ変わる新東京サーキットに、遊びに、走りに来てください!

【新東京サーキット】
〒290-0256 千葉県市原市引田249
電話番号:0436-36-3139
オフィシャルwebサイト:http://www.n-tokyo.co.jp/

(文:井出 有治永光 やすの/画像:井出 有治・新東京サーキットオフィシャルwebサイト/AUTOSPORT誌)

【関連記事】

元F1レーサーの井出有治GO!!KARTは、子どもたちの笑顔で台風だって吹き飛ばしみんなでグータッチ!!
https://clicccar.com/2018/10/04/636001/

お子様限定!初めてのカート体験しよう「YUJI IDE GO!! KART」、9/29(土)にサーキット秋ヶ瀬で開催
https://clicccar.com/2018/08/23/621366/

【関連リンク】

新東京サーキット
http://www.n-tokyo.co.jp/

井出有治オフィシャルwebサイト
https://www.yuji-ide.com/

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
続きを見る
閉じる