■積載力が決め手
日産「キックス」を選んだ理由は、彼女が「キャンプに行きたい」と言ったから。
ボクも彼女もキャンプはしたことがないけれど、どうやらキャンプ道具をたくさん揃えないといけないし、それを積めるだけの荷室を備えたクルマが必要みたい。だから、今度のクルマは荷室の広さが自慢のキックスにした。
車体の大きなクルマなら荷室が広いのはなんとなくわかるけれど、とはいえ日常の運転しやすさを考えると大きなクルマは選ぼうと思わなかった。キックスの車体は全長4290mm×全幅1760mmと小さめ。
これなら狭い道や駐車場でも運転しやすいし、なにより決め手となったのは荷室の広さがクラストップなことだ。
432Lという荷室容量は、ライバルとなるホンダ「ヴェゼルハイブリッド」の393Lや、トヨタ「ヤリスクロス」の390Lよりも大きい。後席を倒さない状態での荷室長も900mmとクラス最長で、これならキャンプ道具をたくさん積めるだろう。
広い荷室には特大サイズのスーツケースが2つ、9インチのゴルフバッグなら3つ載る。キックスは小さなボディなのに積載力が高いのが凄い。
●デザインも悪くない
実は、キックスに買い替える前は「ジューク」に乗っていた。ジュークは個性的なデザインが魅力でとても気に入っていたけれど、荷室は狭かった。その容量は251Lとキックスの6割弱しかなくて、キャンプへ出かけるのにはちょっと厳しいなと思っていたところ。
それに比べると、キックスはとても実用的なパッケージングに作られていることに驚く。
残念なことに日本ではジュークの販売が終わってしまったけれど、欧州では新型ジュークが発売されているとか。それは元ジュークオーナーとしてはちょっとうらやましい気もする。
日産によると「日本では初代ジュークを発売した時とは状況が変化し、小さなSUVにも実用性が求められるようになった。だから新型ジュークではなく、より使い勝手に優れるキックスを導入した」とのこと。そう聞くと、たしかにボクも実用性を重視してキックスを選んだのだから、日産の判断は正解だったのかも。
でも、できればキックスもジュークもどっちもラインナップして選択肢を増やしてくれたら嬉しいと思うのはボクだけだろうか。
「デザインも悪くないね。けっこう好き」
キックスのスタイルは、ジュークのような個性がない代わりに高級感を感じる。そんなデザインは彼女も気に入っているようだ。
「どのあたりが?」と聞いてみたら……「屋根が黒いところ!」だって。なるほど。(つづく)
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:夏本 あさみ/ヘア&メイク:東 なつみ/写真:ダン・アオキ)