■こだわりのラゲッジルーム
ダイハツ「タフト」の面白いところは、後席をあまり重視していないことだと思う。
……そんなことを言うと誤解を受けそうだから先に伝えておくと、後席スペースは充分に確保されているし、シートの座り心地だって悪くない。
ただ、軽ハイトワゴンで一般的なリヤシートスライドは組み込まれていないので、厳密にいえば純粋なハイトワゴンの「ムーヴ」の最大足元広さに比べると少し狭いのは事実だ。後席リクライニング調整だって無い。
でも、そのスライドもリクライニングもしないリヤシートがタフトの個性を引き出していることはぜひ知っておいて欲しいと思う。
スライドがないことで倒した時の荷室フロアの状態を作り込め、後席を倒すとダイハツの軽乗用車ではもっともフラットな荷室床面を実現しているのだ。つまり、後席は人を乗せることよりも荷室としての使いやすさを重視しているというわけ。
後席ドアにアームレストがないのも「倒した後席部分の床面の左右幅をできるだけ広く確保できるように」と聞けば納得だ。徹底的にこだわっていることがよくわかる。
床が防水素材でできているから、泥汚れが付いたアウトドアグッズとか雪が付いたままのスノーボードなどをガンガン積み込めるのは言うまでもない。なかなか便利じゃないか。
■クルマ選びのポイント
「海へドライブに行くだけじゃなくて、キャンプに出掛けたり、冬になったらスノーボードを楽しんだり。タフトがあれば私ももっとアクティブになれそうな気がする。」
ドライブの帰り道、彼女はそう言った。クルマを替えたら、ライフスタイルが変わる。タフトはそんな力を持っている気がしてきた。そういうのって、クルマ選びには大切じゃないかな。(おしまい)
(文:工藤貴宏/今回の“彼女”:夏本あさみ/ヘア&メイク:東なつみ/写真:ダン・アオキ)