メルセデス・ベンツ Eクラスクーペ、カブリオレもビッグマイナーチェンジでARナビを採用【新車】

■「MBUX」化で車載インフォテイメントシステムを大幅にアップデート

メルセデス・ベンツ Eクラス クーペ カブリオレ
メルセデス・ベンツEクラスのクーペ、カブリオレがビッグマイナーチェンジ

以前お伝えしたように、ARナビゲーションを擁し、新型メルセデス・ベンツEクラスが日本に上陸しています。セダン、ワゴン、オールテレインに続き、2020年10月5日、新型Eクラス クーペ/カブリオレの予約注文の受付が開始されました。

今回の新型は、クーペは2017年、カブリオレは、2018年の登場以来のビッグマイナーチェンジになります。セダン/ワゴンなどと同様に、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」が採用されています。音声(対話)のやりとりでナビゲーションやオーディオ系、エアコンなどの設定が可能です。

メルセデス・ベンツ Eクラス
メルセデス・ベンツEクラスに採用されたARナビゲーション

さらに、「AR (Augmented Reality=拡張現実)」 ナビゲーションも同様に採用されています。従来、目的地を設定すると、ルートガイドは地図上に表示されます。ARナビゲーションは、地図画面に加えてフロントカメラによる現実の景色にナビ画面の一部に映し出され、進むべき道路に矢印が表示されます。これにより、より直感的にどの道に進むべきかを判断できるそう。

■よりダイナミックになったエクステリア

先進安全装備では、「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)」が標準装備されます。対向車線を横切って右折する際に、対向車と衝突する危険がある場合、10km/h以内であれば自動ブレーキが作動。対向車の検知は、フロントの長距離レーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラが担います。

また、Eクラスで初となるのが、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている場合の警告機能が採用されています。これは、2km/h以上で後方から歩行者や自転車、自動車などが近づいている場合、ドアミラー外側にある警告表示灯が赤く点灯。さらに、乗員がドアハンドルに手をかけた場合、音と表示で乗員に警告する機能です。

メルセデス・ベンツEクラス
Eクラスクーペ、カブリオレのインパネ

新型のエクステリアでは、フロントエンドのヘッドライトに、最新のメルセデス・ベンツのスポーティモデルに共通する天地に薄いデザインが採用されています。ラジエータグリルは下部が広がる台形となり、クローム仕上げのダイヤモンドグリルで存在感を強調。

また、バンパー下部左右に2本のフィンが配置されるなど、シャープでダイナミックさが演出されています。

メルセデス・ベンツ Eクラス
ビッグマイナーチェンジを受けたEクラスクーペ

インテリアでは、メルセデス・ベンツの新世代ステアリングホイールの採用が特徴です。3本のツインスポークが採用され、近未来的なスポーティさを演出すると共に、ナビやインパネ内の各種設定や安全運転支援システムの設定がすべて手元で完結できます。

さらに、従来はタッチコントロールボタンへの接触やステアリングホイールにかかるトルクで判定されていた「ディスタンスアシスト・ディストロニック」使用時のハンズオフ検知機能用として、リムに新たに静電容量式センサーを備えたパッドが用意されています。ステアリングホイールにかかるトルクがなくとも、ドライバーがステアリングホイールを握っていることが認識され、「ディスタンスアシスト・ディストロニック」の使い勝手を向上したそう。

メルセデス・ベンツEクラス
Eクラスカブリオレのリヤビュー

搭載されるパワーユニットをチェックしましょう。「E200」系のモデルに、1.5Lの直列4気筒ターボエンジン「M264」と「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」、48V電気システムなどにより、効率性、快適性、高性能化が同時に果たされたそう。

「M264」エンジンは、単体で最高出力184PS(135kW)、最大トルク280Nmを発生。さらに、ベルトを介してクランクシャフトと接続される、スターターとジェネレーターを兼ねるモーター、「BSG」と48Vシステムにより、回生ブレーキなどにより発電した電気を約1kWhのリチウムイオン電池に蓄電。

振動の少ないエンジン始動、滑らかで力強い加速、素早いギアシフトなどの必要に応じて、最大トルク160Nmの動力補助などが行われます。

「E300」系には、E200と同じ「M264」の中でも排気量が2.0Lの直列4気筒エンジンを搭載。ツインスクロールターボチャージャーと可変バルブリフトシステム「CAMTRONIC」が採用され、低回転から高回転まで伸びやかな加速を加速を引き出すとしています。

メルセデス・ベンツEクラス
Mercedes-AMG E 53 4MATIC+(クーペ)のエクステリア

さらに、「E 450 4MATIC」各モデルには新たに、コンパクトな3.0Lの直列6気筒ガソリンエンジン「M256」が積まれるほか、「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」、48V電気システムも組み合わされます。

エンジン単体で最高出力367PS(270kW)、最大トルク500Nmという高性能版であり、エンジンとトランスミッションの間に配置された最高出力22PS(16kW)、最大トルク250Nmを発生するモーターの「ISG」が高効率でスムーズな走りを引き出します。

そして、最上級モデルであるメルセデスAMG 53系には、直列6気筒エンジン、ISG、48V電気システム、さらに電動スーパーチャージャーも組み合わされます。駆動方式は、可変トルク配分を行う、パフォーマンス志向の四輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を採用。

直列6気筒エンジンの「M256」はエンジン単体で、最高出力435PS(320kW)・最大トルク520Nmという強大なアウトプットを実現。ISGは「E450 4MATIC」各モデルにも採用されている最高出力22PS(16kW)、最大トルク250Nmを発生するシステムになります。さらに、低回転域で過給を行う電動スーパーチャージャーを搭載することで、ターボラグを解消するそう。

組み合わされるトランスミッションは、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現した電子制御式9速トランスミッション「AMGスピードシフトTCT(トルク・クラッチ・トランスミッション)」を搭載。4WDシステム「AMG 4MATIC+」は、前後トルク配分が「50:50」から「0:100」の範囲で可変トルク配分を行うことで、ハイパワーを四輪へ最適に配分します。

さらに、「AMG RIDE CONTROL+サスペンション」は、高い俊敏性やニュートラルなコーナリング特性、優れたトラクションを可能にするシステム。とくに、スポーティなスプリング/ダンパー設定と連続可変ダンパーの「ADS+(アダプティブダンピングシステム プラス )」が搭載されたマルチチャンバー型エアサスペンションであり、卓越したドライビングダイナミクスと優れた快適性を同時に実現。

また、ハイパフォーマンスを物語るエクステリアでは、縦にルーバーが入った「AMG専用ラジエーターグリル」を用意。リヤには、ボディ同色のトランクリッドスポイラーリップが装着され、専用デザインの大型リヤディフューザーとクローム仕上げで円形のデュアルエグゾーストエンドが採用されています。

クーペの価格は、1.5Lの直4直噴ターボを積む「E 200 クーペスポーツ(ステアリング:右)」が832万円。2.0Lの直4直噴ターボを搭載する「E 300 クーペスポーツ(ステアリング:右)」が919万円です。3.0Lの直6直噴ターボを積む「E 450 4MATIC クーペスポーツ(ISG搭載モデル/ステアリング:左右)」が1167万円。3.0Lの直6直噴ターボを積む「メルセデスAMG E 53 4MATIC+ クーペ(ISG搭載モデル/ステアリング:左右)」は、1305万円です。

カブリオレの価格は、「E 200 カブリオレスポーツ(ステアリング:右)」が871万円。「E 300 カブリオレスポーツ(ステアリング:右)」が956万円。「E 450 4MATIC カブリオレスポーツ(ISG搭載モデル/ステアリング:左)」が1226万円。「メルセデスAMG E 53 4MATIC+カブリオレ(ISG搭載モデル/ステアリング:右)」が1364万円です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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