トヨタからスズキへのOEM第2弾・新型「スウェイス(Swace)」 誕生。今冬発売へ

■カローラツーリングスポーツ(欧州仕様)がベース

スズキは2019年3月にトヨタ自動車と結んだ資本提携に基づき、欧州で2021年に導入が予定されている厳格なCO2規制クリアに向け、HVやPHVを豊富に持つトヨタから電動車のOEM(相手先ブランド製造)供給を受ける方向で動いており、本年7月1日には第1弾としてRAV4 PHVをベースにしたOEMモデル「アクロス(ACROSS)」を発表。

欧州市場を軸に3,600台/年規模での販売を予定しており、今秋の発売を目標に生産準備を進めています。

スズキ「スウェイス」(上)とスズキ「アクロス」(下)

そして同社は今回、その第2弾としてカローラツーリングスポーツ(欧州仕様)をベースにしたOEMモデル「スウェイス(SWACE)」を今冬から欧州で発売すると発表しました。車両サイズは全長4,655mm×全幅1,790mm×全高1,460mm、ホイールベース2,700mmで、1.8Lエンジンを搭載したFF仕様のハイブリッド専用モデルとなっています。

トヨタ「カローラツーリングスポーツ(欧州仕様」(上)とトヨタ「RAV4 PHV」(下)

カローラツーリングスポーツとの相違点は主にフロントマスクで、スズキのエンブレムに加え、「アクロス」と同様にフロントバンパーの開口部が専用意匠の6角形になっているのが大きな特徴。ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャイン、スーパーホワイト、プレシャスシルバー、ブラックマイカ、ダークブルーマイカ、ファントムブラウンM、オキサイドブロンズMの7色が用意されています。

スズキ「スウェイス」のパワートレーン

サスペンションはカローラツーリングスポーツに準じてフロントがマクファーソンストラット式、リヤがダブルウィッシュボーン式で、トランスミッションはCVT。0-100km/h加速11.1秒、最高速180km/hの性能を発揮。欧州市場で重視されるCO2排出量は78g/km(NEDC:新欧州サイクル)に抑制。

運転状況に合わせて「NORMAL」「ECO」「SPORT」の3モードから選択可能で、S-IPA(駐車支援)、PCS(自動ブレーキ)、LTA(ステアリング操作支援)、RSA(道路標識表示)、DRCC(ダイナミックレーダークルーズコントロール)、BSM(ブラインドスポットモニター)、RCTA(後部横断交通警報)、eCall、ブレーキホールドなどの安全機能を備えています。

販売価格についても、カローラツーリングスポーツに準じて344万円前後からになる予想。

一方のトヨタはスズキから「BALENO(バレーノ)」のOEM供給を受けており、同車の意匠を若干変更した上で昨年6月からインド市場で「グランツァ(GLANZA)」として販売。南ア市場でも先頃「スターレット(STARLET)」のネーミングで販売を開始しました。

このように、トヨタ・スズキ両社は今後もOEMで補完し合うことにより、欧州市場やアジア/アフリカ市場における販売強化を目指すものと思われます。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA/SUZUKI)

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【関連リンク】

トヨタ カローラツーリングスポーツ(欧州仕様)
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トヨタ グランツァ
https://www.toyotabharat.com/showroom/glanza/

トヨタ スターレット
https://www.toyota-africa.com/models/starlet

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Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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