マセラティMC20がスーパースポーツでありながらエレガントに映る理由は?【Maserati MC20画像ギャラリー】

■世界にたった4台のうちの1台が東京でお披露目

世界にまだたった4台しか存在しないマセラティMC20。そのうちの1台が本国イタリアのモデナ、ニューヨークと同時に東京でもお披露目されました。こういうお話は、日本のマーケットをどれくらい大事に思っていてくれるのかのバロメーターにもなります。

そうして登場したMC20ですが、いわゆるスーパーカーの獰猛なイメージというより、流麗でエレガントなどこか懐かしさも感じさせるスポーツカーに見えませんか? スポーツカーのデザインは機能の一つ。単に見た目がカッコいいではなく、空力と冷却のための「理由」が必要です。これは地球上でスポーツカーを走らせるための宿命です。しかし、その機能があるときにはカッコよさの証になるときもあります。

バタフライドアを開いたMC20。
バタフライドアを開いたMC20。

多くのスーパースポーツカーはエンジンをミッドシップに搭載し、そのため車両後半のパワーユニットへ空気を導く必要があり、その導入経路となるインテークがデザイン上の大きな特徴、場合によってはアイデンティティとさえ認識されることがあります。

ところが、MC20をサイドから見ると、エアインテークが見えないようなデザインになっているのです。少し目線を上げてみると、パワートレインへのインテークは、ドアの上部からエンジンコンパートメントへ向かっているのです。

そのためもあり、MC20はスッキリしたデザインを手に入れたとも言えるでしょう。

まあ、MC20は既にEVの用意もあるといいます。モーター駆動のEVならばガソリンエンジンほどの冷却や吸気は必要ないハズ。それを見越して、これからの時代に通用するスーパースポーツのデザインを準備しているのかも知れませんね。

古典的スポーツカーの佇まいも持ち合わせながら、これからのスーパースポーツのあるべき姿も取り込んだMC20は、まさにマセラティのこれからを象徴していくためのデザインをまとっての登場となったわけです。

(文・写真:clicccar編集長 小林和久)

■TECHNICAL SPECIFICATIONS
●Engine
レイアウト V6 90° MTC ツインターボ 3,000 cc
排気量
ボア x ストローク 88 x 82 mm
圧縮比 11:1
最高出力630ps/7,500rpm 最大トルク730Nm/3,000-5,500rpm

●PERFORMANCE
0-100Km/h加速 2.9秒以下
0-200Km/h加速 8.8秒以下
最高速度325km/h以上
100-0km/h制動距離33m
Cx0.38

●FUEL CONSUMPTION AND CO2 EMISSIONS – WLTC*
燃費(複合) 11.6l/100 km 燃費(低速) 20.8l/100 km 燃費(中速) 11.9l/100 km 燃費(高速) 9.8l/100 km 燃費(超高速) 9.6l/100 km
CO2 排出量(複合) 262g/km CO2 排出量(低速) 470g/km CO2 排出量(中速)269.4g/km CO2 排出量(高速)220.6 g/km CO2 排出量(超高速)215.8g/km暫定値

●TRANSMISSION
ギアボックス 8速DCT
ギア・レシオ2.905/ 1.759/ 1.220/ 0.878/ 0.653/ 0.508/ 0.397/ 0.329 リバース 2.632:1 ファイナル 5.174
駆動方式 リミテッドスリップ・セルフロッキング機械式ディファレンシャル付き後輪駆動 (オプション:電子制御ディファレンシャル)

●SUSPENSION
フロント バーチャル・ステアリング・アクセル付きダブル・ウィッシュボーン、アンチロール・バー (オプション:フロント・リフター)
リア バーチャル・ステアリング・アクセル付きダブル・ウィッシュボーン、アンチロール・バー

●BRAKES
フロント ベンチレーテッド・ディスク 380x34mm (オプション:カーボン・セラミック・ディスク 390x36mm)ブレンボ製固定式キャリパー 6ピストン
リア ベンチレーテッド・ディスク 350x27mm (オプション:カーボン・セラミック・ディスク 360x28mm)4ピストン

●DIMENSIONS AND WEIGHTS
タイヤ フロント:245/35ZR20/リア:305/30ZR20
全長x全福x全高4,669×1,965×1,221mm
ホイールベース2,700mm
フロント/リア・トレッド 1,681/1,649mm
ラゲッジルーム 150l(フロント:50l/リア:100l)
燃料タンク60l
車両重量1,500kg 以下

●RETAIL PRICE
日本国内定価26,500,000 円(消費税込)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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