●スーパーフォーミュラ・ライツは若手ドライバー育成の頂点
今シーズン、新たに始まったレースカテゴリの一つ「SFL」を皆さんは御存知でしょうか? 正式名称は「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」、その名の通り日本の誇るフォーミュラカーレース、スーパーフォーミュラの直下のカテゴリとなります。
昨シーズンまで、日本国内では40年以上の長きに渡り全日本F3選手権が国内トップフォーミュラの下位カテゴリとして、主に若手ドライバーの育成の場となっていました。ところが近年のFIA(国際自動車連盟)によるF1以下フォーミュラカテゴリの再編統合によって、それまでF3として運用されてきたマシンの規格やレースそのものの位置づけが変わってしまいました。
そこで日本では、これまで培ってきたF3としての存在価値を受け継ぐ形で、日本独自のフォーマットであるスーパーフォーミュラとの連携を強化し、引き続き若手ドライバー育成カテゴリとして運用するべく、SFLが発足しました。
マシンはF3時代から定評のあるダラーラF31x系から安全装備HALOなど最新の安全基準を盛り込んだダラーラ320に進化。これは新車を購入するだけでなく、それまでのF31xからのアップデートも可能なことから、これまでF3選手権に参戦していたチームからの参戦のハードルも低くなっています。
今シーズンは新型コロナウイルス感染症の影響もある中、全6大会17戦を予定。若手育成の観点から走行マイルも稼げるスケジュールとなっています。そしてチャンピオンにはF1ドライバーになるために必要なスーパーライセンスポイント40ポイントの内、15ポイントが与えられるため、F1を目指すドライバーにとっても参戦する意義のあるカテゴリとなっています。
●血気盛んな若手ドライバーたちのガチバトルは必見
迎えたSFL開幕戦には12台がエントリー。昨シーズン、サッシャ・フェネストラズ選手との激戦に僅差で敗れ、涙を呑んだ宮田莉朋選手をはじめ、GT500クラスで活躍中で2017年全日本F3チャンピオンの高星明誠選手やGT300クラスで活躍中の阪口晴南選手や河野駿佑選手、また昨シーズンFIA-F3にフル参戦していた名取鉄平選手など、錚々たる若手ドライバーたちが名を連ねました。
SFLのレースフォーマットは基本的に土曜午前に予選が行われ、ベストタイムが第1レース、セカンドベストが第2レースのグリッドになります。今大会は第3レースも行われ、第1レースの順位がそのままグリッド順になりました。
29日に行われた予選では、今シーズンからスーパーGT・GT500クラスにフル参戦を開始した宮田選手がライバルたちから0.448秒の差をつけダブルポールポジションを獲得します。決勝でもその速さは変わることなくライバルたちを圧倒し、ポールポジションと決勝ファステストラップを含む全てのポイントを総ナメにする週末となりました。
今大会はそんな宮田選手の独壇場となりましたが、チームメイトの小高一斗選手をはじめ他の選手がこのまま手をこまねいて見ているはずはありません!そんな若手ドライバーたちのアツい戦いが、今年は全戦スーパーフォーミュラのサポートレースとして開催される予定となっています。
TCRJと合わせて一粒で3度も美味しいレース観戦に足を運んでみてはいかがでしょうか?
(H@ty)