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■みんなもコロナと暑さ、乗り越えられそうですか!?
●清水和夫が「コロナ悲観論」「安全神話」「シートベルト非装着」を語る
少しブログの間隔が空いてしまったけど、みんなは元気に過ごしていますか? 私は暑さとコロナ自粛をなんとか克服し、無事に夏を乗り越えられそうです。
実はコロナ問題で一言いいたいことがあるのです。
私は医療の専門家ではないけど、新型コロナウイルスでは多くのメディアが不安を煽るので社会がおかしくなってきていないかな。
過去に起きた大災害のとき、多くのメディアは悲観論で報道する。ニュースは悲観するほど視聴者や読者は見たいと思うのです。
これは日本人の特性かもしれないけど、事故や事件が起きても安心したいという気持ちが先に立ち、その裏側では不安で夜も眠れない…と心配する気持ちが強くなる。そんな国民性があるのかもしれないですね。
コロナではブラジル大統領のような陽気な楽観主義もいるが、日本人は悲観論者が多いと思う。つまり、現実のリスクを受け入れることに慣れていないのかもしれないね。
●欧米と日本の安全思想の違い
話はクルマに戻しますが、安全の考え方で私が共感できる考えは、明治大学の向殿政男(むかいどの まさお)先生のお考えです。
先生の論文の中では「欧米と日本の安全思想の違い」に関する記述があります。欧米では絶対安全は存在せず、かならずリスクがあると考えているのです。
そのために、安全には「コストとテクノロジー」が必要だという考えが主力で、日本人は安全神話といわれる絶対安全を追い求める傾向が強く、しかも安全にお金は払いたくないとくる。
日本の考えが間違っていたことを証明する事故が起きました。
まだ記憶に新しいと思うが、2011年3月11日の東日本大震災のこと。想定外の津波で電源を喪失し、福島第一原発は未曾有の原子炉災害となりました。その時の東京電力は「想定外の津波」と発表した。想定内の津波なら絶対安全だったと言いたいのでしょうか。
この話は笑えません。
その後の調査では、大きな津波を想定すべきと提言していた会議もありました。東京電力は経営を優先して津波対策を怠ったのです。にもかかわらず、絶対安全を求める風潮があるわけですね。
原発にしても、コロナにしても、年間の死者数を見ると圧倒的に交通事故のほうが多い。年間約3300人の方が亡くなっています(事故発生から24時間以内)。しかし、メディアは交通事故の報道は、せいぜいお年寄りがペダルを踏み間違えた時に騒ぐくらいです。
チャイルドシートの普及率も、日本は先進国の中では圧倒的に低く、子どもたちは車外車内問わず、リスクにさらされています。無知な親は自分はベルトしても、子どもの安全対策は手薄です。
ベルトをするのは、衝突のリスクのためではなく、捕まるから…というおバカな発想。
自分は事故を起こさないからという安全神話に取り憑かれ、子どももベルトは不要と考えます。
事故は必ず起きるものという前提でクルマを運転するなら、乗員全員にベルトをすると思うのです。
(国際モータージャーナリスト・清水 和夫)
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