■最高出力580ps・最大トルク730Nmを誇る3.8L V8ツインターボを搭載
マセラティは、SUVの「レヴァンテ・トロフェオ」に続き、新たに「クアトロポルテ」と「ギブリ」に、高性能バージョンである「トロフェオ」を設定すると発表しました。
導入仕様のボディカラーとして、イタリア国旗のトリコロールが採用されています。クアトロポルテにはグリーンを、レヴァンテにはホワイトが、ギブリにはレッドといった具合。つや消しクロームと光沢のあるレッドのトリムも特徴です。
ギブリとクアトロポルテのトロフェオには3.8L V8ツインターボエンジンが搭載され、最高出力580ps・最大トルク730Nmを発揮します。
すでに、レヴァンテ・トロフェオで全貌が明らかにされている同エンジンはマセラティ専用にフェラーリ工場で製造され、FRセダンにおいても同様にパフォーマンスを発揮できるよう改良されているそう。
ギブリにV8エンジンが搭載されるのは初。なお、クアトロポルテGTSでは、530psのV8エンジンがすでに採用されています。
今回のトロフェオの追加により、新型ギブリ、クアトロポルテ、レヴァンテすべてのレンジに580psのV8エンジンが搭載されることになります。ギブリ、クアトロポルテのトロフェオは、レヴァンテ・トロフェオの最高速302km/hを上回る、最高速度326km/hに達するマセラティ史上最速のセダン。
レヴァンテ・トロフェオと同様、新型ギブリ、クアトロポルテのトロフェオにも統合車両制御(IVC)システムが搭載され、ドライビングダイナミクスの強化、アクティブセーフティの向上、ハイパフォーマンスを担保するための特別なセットアップが施されています。
よりスポーティなドライビングスタイルを実現するコルサボタンが追加されるほか、レヴァンテ・トロフェオと同じくローンチ・コントロール機能を用意。エンジンパワーをすべて解き放ち、圧倒的なハイパフォーマンスと本格的なドライビング・エクスペリエンスを提供するとしています。
■カーボンファイバー仕上げのフロントエアダムなどを用意
マセラティの特徴ともいえるエンジンのサウンドに加え、今回の「トロフェオ」シリーズには高性能モデルであることを象徴する特別なスタイリングが施されています。
ブラックピアノ仕上げのデュアルバーのフロントグリル、カーボンファイバー仕上げのフロントエアダクトトリムとリヤエクストラクターを採用するなど、よりアグレッシブな仕立てになっています。
今回の「トロフェオ」コレクションに共通するのは、サイドエアベントフレームとCピラーのサエッタロゴに施されたレッドのディテール。ライト形状が刷新されたリヤビューは、3200GTやアルフィエーリのコンセプトカーにインスパイアされたという、ブーメランのようなデザインを採用。
ギブリ・トロフェオには、ボンネット形状にも新たなデザインが付加され、レヴァンテ・トロフェオと同様に冷却性を高める2つのアグレッシブなエアダクトが目を惹きます。さらに、ギブリおよびクアトロポルテのトロフェオには、21インチのオリオーネホイールを装着。レヴァンテ・トロフェオには22インチのオリオーネホイールが用意されています。
インテリアもアグレッシブな仕立てで、イグニッションオンで専用のインターフェースが表示される新しいオンボードパネルが採用。ヘッドレストには、トロフェオの文字が刺繍されています。また、インテリアには最高級レザーである「ピエノ・フィオーレ・ナチュラルレザー」を用意。
先進安全装備の強化も図られています。「アクティブ・ドライビング・アシスト」の搭載により、市街地や一般の高速道路でも運転支援機能が作動。
また、「MIA(マセラティ・インテリジェント・アシスタント)」にも新技術が導入され、解像度がアップグレードされたマルチメディアスクリーンは、ギブリ・トロフェオ、クアトロポルテ・トロフェオ共に10.1インチ、レヴァンテには8.4インチのディスプレイが搭載され、解像度とグラフィックが従来よりも向上したそうです。
さらに、「マセラティ・コネクト・プログラム」により、常時にインターネットに接続されていて、さまざまなサービスが提供されています。
ギブリ、クアトロポルテのトロフェオは、トリノのアヴォカート・ジョヴァンニ・アニエリ工場(AGAP)で、レヴァンテ・トロフェオは、同じくトリノのミラフィオーリの工場でラインオフされます。なお、現時点で日本導入に関する詳細は明らかにされていません。
(塚田勝弘)