各地で感染者が過去最多を更新する中、東京都の小池百合子知事は夜間の繁華街への外出自粛を呼びかけました。こんな状況下では、せっかくのGoToトラベル・キャンペーンがあっても旅行のタイミングを失っている人も多いのではないでしょうか。
そんな人にGoToトラベルを使うなら秋、特に自分で運転するドライブ旅は9月以降にすべき、というお話をしましょう。感染状況に関わらず、全国どこにいても、その理由は1つしかありません。
●今なら支援額は35%、秋からは50%
GoToトラベルは、旅行代金の一定割合を税金で支援する内容です。キャンペーンの大枠が公表された当時は支援割合が50%でした。けれども今はこれを利用しても、旅行代金は半額にはなりません。
GoToトラベルの支援割合50%は、35%の「旅行代金割引」と15%の「地域共通クーポン還元」の合計です。支援額の上限は1人1泊2万円までなので、1泊4万円の旅行で上限支援額が受けられることになります。その内訳は、旅行代金割引1万4000円と6000円分の地域共通クーポンで、総額2万円です。
しかし、観光庁はこう言います。
「現状の支援は『旅行代金割引』だけです。地域共通クーポンは準備が整った時点で開始します」
つまり、今GoToを利用しても、支援額は代金決済時に割り引かれる35%分(前例だと1万4000円)だけなのです。なぜならGoToトラベルの事務局は7月21日に立ち上がったばかり。宿泊先で配布される紙製の地域共通クーポンやネット決済で使えるQRコードは準備中です。観光庁はこう言います。
「9月1日以降で別途お知らせいたします」(観光庁)
地域共通クーポンがスタートしてからのほうが旅行はお得です。でも、ドライブ旅で秋を待つべき理由は、それだけではありません。
●地域共通クーポンはガソリン代でも使える
地域共通クーポンは、いわゆる商品券のことです。紙製のクーポン券は宿泊先のホテルや旅館で利用者に手渡されます。旅行代金割引だけだと主に宿泊施設に支援対象が限定されるため、周辺の飲食店や土産物店、観光地などで使ってもらい、地域全体を活性化しようという狙いがあります。
これがドライブ旅なら燃料費の一部に使えます。GoToトラベルで交通費(=移動費)は対象外ですが、クーポンで給油すれば実質的に交通費が負担されていることになります。
繰り返しますが、クーポンのスタートは秋からです。
地域共通クーポンがあまり話題にならないのは、飲食や土産だけでは使い勝手が悪いという先入観なのかもしれませんが、それは誤解です。観光庁が加盟店向けの説明で、クーポンで購入できないものを説明しています。
例を挙げてみると、税金や健康保険など行政への支払い、水道光熱費、保険商品、定期利用の駐車場代金、公営ギャンブル、遊技場、性風俗関連、換金性の高い金券やプリペイドカードなど。
「裏を返すと、これ以外なら何に使ってもらってもいい」(観光庁)と話し、全国約100万店を予定していろいろな業種の加盟店を募集しています。
バイク・ツーリングでは、パンクや急な車両故障に見舞われることがありますが、この修理代もOKです。徒歩旅ならタクシー代にも使えます。地域共通クーポンが使える範囲は、宿泊地がある都道府県と、それに隣接する都道府県を基本に検討が進んでいます。使用範囲が広いことは魅力です。
ネット決済では、QRコードでクーポンが使えるようになる予定です。1枚1000円単位の商品券で、支援額が1000円未満の部分は四捨五入して配布される予定ですが、実は細部の検討が、今も観光庁と実施事務局で続いています。
まさにGoToトラベルは、待てば海路の日和あり…だと思いませんか。
(文・写真 中島みなみ)
【関連リンク】
旅行者向け Go To トラベル事業公式サイト
https://goto.jata-net.or.jp