税抜き100万円のカーボンボンネット、無限のニューアイテムでシビックタイプRを性能アップ

■FF最速! シビックタイプRのパフォーマンスを確実にアップするワークスチューナー無限の最新作

ホンダのワークスチューナー「無限(M-TEC)」から、シビックタイプR用のニューアイテムが発表されました。

すでに、エアロパーツやアルミホイールなど内外装のアイテムはリリース済みですが、今回、エアロボンネットとウイングスポイラーが追加設定されました。

無限ウイングスポイラー
コンピュータ解析やサーキットテストにより空気抵抗を増やすことなく車体リフトを抑えるウイングスポイラーを新設定

シビックタイプR用パーツの開発コンセプトは『MORE ”R”』、つまりもっと「R」の魅力を高めるというのが狙いです。そのために、無限のレーシングスピリットを注ぎ込み、サーキットテストも繰り返し妥協のないパーツ開発をしています。

エアロボンネットやウイングスポイラーといった機能パーツの発売開始まで時間がかかってしまったのは、そのこだわりゆえといえます。

注目はカーボンエアロボンネットでしょう。まずは税抜き100万円という価格に驚かされますが、レーシングカーさながらのドライカーボンで、表も裏も製作された本格派です。

無限カーボンエアロボンネット・シビックタイプR用
レーシングマシンさながらのドライカーボン製のカーボンエアロボンネット。税抜き価格は100万円

左右にたくさんのエア・アウトレット(排熱口)が設けられていることからもわかるようにサーキット走行など、シビックタイプRのエンジンパフォーマンスを引き出した際の冷却性を優先したデザインとなっています。

特徴的なのは、それでいながらストリート仕様を十分に考慮している点。表面はUVカットクリア塗装が施され、ノーマルストライカーに対応しているのでボンネットピンが必須というわけではありません。

無限カーボンエアロボンネット・シビックタイプR用
コンピュータ解析により排熱性、空力特性を追求したカーボンエアロボンネット。ノーマルより約3.9kgも軽量になっている

また、裏側を見ればわかるようにダクトを介して排熱するほか、排水穴も用意することで、雨天時でもエンジンルームに雨がかからないような工夫もされているのです。単体重量は約6.0kgとノーマルより3.9kgも軽くなっているのも性能アップのポイントです。

無限ウイングスポイラー
ウイングスポイラーは4段階に角度調整が可能。カーボン製が税抜き90万円、GFRP製は税抜き27万円

もう一つのニューアイテム、ウイングスポイラーはドライカーボン製とGFRP製が用意されています。ドライカーボン製が税抜き90万円、GFRP製は税抜き27万円という価格を目にして腰が引けてしまうかもしれませんが、こちらもコンピュータ解析によりウイングの「高さ」「角度」「翼断面形状」を求めていったというレーシングテクノロジー由来のアイテム。

ウイングの角度は4段階に調整可能で、サーキットに合わせたダウンフォースを得るようセッティングすることができるのも本格的。ちなみに純正リアスポイラーの重量は約5.8kgとなっていますが、無限のウイングスポイラーはカーボン製が約2.5kg、GFRP製が約3.6kgと大幅な軽量化を実現しているのも見逃せません。

無限シビックタイプR
新製品のカーボンエアロボンネット、ウイングスポイラーのほかアルミホイールなど既存パーツを組み込むことで、コンプリートカーのような完成度になる

どちらのアイテムも、無限が進めていたシビックタイプRベースのコンプリートカー「MUGEN RC20GT」の開発から生まれたものだといいます。コンプリートカーのプロジェクトは残念ながら頓挫してしまったのですが、その経験はこうしてワークスチューニングのアイテムとして結実したのです。

価格を考えるとおいそれとは手を出せませんが、シビックタイプRオーナーにとってあこがれのアイテムとなること間違いありません。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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