クルマの偉人の概説:自動車産業の発展や技術の進化に貢献した偉人たち【自動車用語辞典:クルマの偉人編】

■今も自動車メーカーの名前として残っている多くの偉人たち

●内燃機関や自動車を発明した偉人、自動車を普及させた偉人、名車を誕生させた偉人

多くの偉人の英知と努力によって高効率のエンジンが誕生し、それを動力とした自動車が発明されました。その後も、効率的な量産技術や先進的な自動車技術の進化によって、現在の自動車産業が築き上げられました。

自動車の発展の中で重要な役割を担った日本および世界の偉人9名について解説していきます。

●日本の偉人

・本田宗一郎

修理工場から一代で「世界のホンダ」を築き上げた本田宗一郎。さまざまな先進技術を採用した二輪車と乗用車だけでなく、モータースポーツにも積極的に取り組み数々の世界的なバイクレースやF1を制覇しました。

ホンダだけでなく日本の技術力を世界に知らしめた功績は大です。

・豊田喜一郎

トヨタの実質的な創業者で、現トヨタグループの礎を築いた豊田喜一郎。「日本人の手で日本に合った日本人のための国産車を作る」という崇高な理念のもと、エンジンからボディまで完全オリジナルの乗用車を完成させました。

日本の「モノづくり力」を世界に知らしめたパイオニアです。

・櫻井眞一郎

1960年代から1980年代の名車「日産スカイライン」の開発責任者櫻井眞一郎。スカイラインに対する情熱だけでなく、モデルチェンジのたびに新しいアイデアを思いつく発想力やそれを具現化する技術力と実行力を持ち合わせたプロジェクトリーダーです。

・石橋正二郎

ゴム底足袋やゴム靴の製造業に始まり、最終的に世界有数のクルマのタイヤメーカーに成長させた石橋正二郎。ブリヂストンという屋号は、創業者の石橋正二郎の石(ストン)と橋(ブリッジ)から由来しているのは有名な話です。

傑出した経営能力を発揮し、また芸術文化活動の振興にも尽力しました。

・百瀬晋六

従来とは全く異なる新しい発想と技術でバスの「ふじ号」やスバル360を開発した百瀬晋六。開発したクルマには、高い信頼性と安全性が求められる飛行機の設計経験が生かされています。

この高い技術へのこだわりが、今日の水平対向エンジンや4WD、アイサイトなどの安全運転支援技術などの「スバルらしさ」に繋がっています。

●世界の偉人

・ルドルフ・ディーゼル

蒸気機関に替わる画期的な動力源として、高効率で汎用性の高いディーゼルエンジンを発明したドイツ人ルドルフ・ディーゼル。蒸気機関の発明に匹敵するほど、工業会に貢献した画期的な発明で、現在も自動車だけでなく船舶や発電機などで主流の動力源となっています。

・ヘンリー・フォード

今日の自動車産業の礎を築き上げ、「自動車の育ての親」と呼ばれるヘンリー・フォード。ライン生産方式の大量生産によってクルマの価格を下げ、富裕層の自動車を一般の人にも購入できるようにしました。

これを機に米国でモータリーゼ―ションが起こり、自動車産業は急速に発展しました。

・カール・ベンツ

世界で初めて4サイクルガソリンエンジンの自動車「モトールヴァーゲン」を発明し、「自動車の生みの親」と呼ばれるドイツ人カール・ベンツ。ダイムラー・ベンツ社の基礎を築き、高級ブランドのメルセデス・ベンツにその名を残す技術者です。

・フェルディナント・ポルシェ

高級スポーツカーメーカーのポルシェの創業者フェルディナント・ポルシェ。スポーツカーだけでなく大衆車や電気自動車など、さらには航空機用エンジン、戦車まで手掛けた「20世紀最高の自動車設計者」と呼ばれる多才な技術者です。


本章では、自動車技術や自動車産業の発展に貢献した日本と世界の偉人9名について、個々に詳細に紹介します。

(Mr.ソラン)

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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