塚田勝弘 
■普通充電（200V/100V）に対応し、急速充電には未対応
2020年6月8日、RAV4にプラグインハイブリッドのRAV4 PHVが加わりました。全車、2.5Lダイナミックフォースエンジンを積み、前後モーターを搭載する電気式4WDの「E Four」になります。エンジンは、130kW（177PS）/6000rpm、219Nm/3600rpmというアウトプットで、フロントモーターは134kW（182Nm）/270Nm、リヤモーターは40kW（54PS）/121Nmという数値で、システム最高出力は225kW（306PS）。0-100km/h加速は6.0秒という俊足ぶりが目を惹きます。
エンジンは、2.5Lハイブリッド仕様と同じ「A25A-FXS」で、2.5Lハイブリッド仕様は、178PS/221Nmですから、PHVの方は若干出力、トルクが下げられています。
プラグインハイブリッドなので、気になるのは航続可能距離でしょう。満充電時のEV走行距離は95km。こちらは、WLTCモード（充電電力使用時走行距離）。なお、同モードは、エンジン、駆動用バッテリー（リチウムイオン）の状態、エアコンの使用状況、運転の方法などによっては、バッテリー状態に関わらず、エンジンが作動する状態も含みます。充電時間（満充電）は、AC200V（専用の配線工事が必要）で約5時間半で、AV100V（専用の配線工事は不要）だと約27時間となっています。なお、トヨタディーラーにある約4200基の充電器、全国の普通充電スポット（約10,800カ所）でも普通充電が可能になっています。急速充電に対応しないのは、ピュアEV（オーナー）への配慮でしょうか。
また、ハイブリッド燃費（WLTCモード）は22.2km/L。このエンジンを作動させるハイブリッドモードは、バッテリーパワーによりエンジン回転数を抑えることで、エンジン作動時でも静かな走行が可能だそう。さらに、吸音材の最適配置などによりボディの入念なノイズ対策、高遮音性ガラスの採用により風切り音を低減させるなど、モーター走行が増えるPHVならではの対策が施されています。
さらに、エアコン冷媒を使うことで、バッテリーの適切な温度管理が可能になり、高音下での使用を避け、充電状態を適切に管理することで、リチウムイオン電池の本来の性能が発揮できるようになっています。また、エアコンにはヒートポンプシステムが採用されていて、エアコン使用時の消費電力を抑制。
ほかにも、災害時やキャンプなどのアウトドアで使える最大1500Wの外部給電も標準装備されています。ラゲッジのアクセサリーコンセントに加えて、付属のヴィークルパワーコネクターを普通充電インレットに差し込むことで、外部給電用コンセントとして使えます。
トヨタRAV4 PHVの価格は「G」が469万円、「G“Z”」が499万円、「BLACK TONE」が539万円です。なお、2.5Lハイブリッド仕様は、326万1500円〜388万8500円（2WD/4WD）となっています。
（塚田勝弘）
