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■スーパーハイト系の軽ワゴンが大人気
日本独自のスタイルながら、依然として人気が高い軽自動車。
なかでも全高が1700mmを超える、いわゆる“スーパーハイト系”とよばれるジャンルは、ゆったりと座れるミニバン並みの後席スペースや、乗り降りが楽なスライドドアを持つモデルも多く、ファミリー層を中心に高い支持を受けています。
実際、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた軽自動車の2019年度(2019年4月~2020年3月)新車販売台数でも、1位ホンダN-BOX(24万7707台)、2位ダイハツタント(17万2679台)、3位スズキスペーシア(15万9799台)と、上位をスーパーハイト系が独占しています。
また、全高は1700mm未満ですが、4位の日産デイズ(15万4881台)、5位のダイハツムーヴ(11万8675台)といったハイト系ワゴンも、スライドドアなどはありませんが、やはり室内空間の広さが魅力です。
これらモデルは、ボディサイズに制約がある軽自動車ながら荷室の最大容量もかなり広いため、ファミリーだけでなく、アウトドアなどのレジャーユースで使う人にも大きな人気を得ています。
ここではそういった室内空間の広さが人気の軽自動車たち5台を、前述の販売ランキング順に紹介します。
●1位:ホンダN-BOX
(室内サイズ:全長2240×全幅1350×全高1400mm)
ホンダの軽トールワゴンのN-BOXは、軽自動車の新車販売台数で5年連続、登録車を含む国産車の新車販売台数でも3年連続で1位を獲得している大ヒットモデルです。
初代の時点でホンダ独自のセンタータンクレイアウトを軽自動車で初採用し、使える荷室スペースを設けたほか、後席座面の跳ね上げ機能などで使い勝手がバツグン。そして、なにより軽自動車最大級(ホンダ調べ)の室内サイズを誇ります。
また、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全車に標準装備することで安全性能も充実、優れた燃費性能も特徴です。
●2位:ダイハツタント
(室内サイズ:全長2180(Lは2060)×全幅1350×全高1370mm)
2003年に発売された初代モデルから2019発売の4代目現行モデルまで、根強い人気を誇るダイハツの軽スーパーハイトワゴンです。
このモデルの大きな特徴は、助手席側のセンターピラーをなくしたミラクルオープンドア。助手席ドアと後席スライドドアを開けると開放感たっぷりの空間が広がります。
また、低床ステップの採用などにより、小さな子供や高齢者の乗り降りがとても楽なことも人気の秘密です。
室内サイズも、N-BOXほどではありませんが、全長2180(Lグレードのみ2060)×全幅1350×全高1370mmと十分。
運転席と助手席のロングスライドが可能(運転席540mm、助手席380mm)で、運転席から後席へのスムーズな移動ができるため、停車後に後席に座っている小さな子供や荷物を降ろすといった作業もストレスなくできます。
●3位:スズキスペーシア
(室内サイズ:全長2155×全幅1345×全高1410mm)
現行モデルは2017年に発売、こちらも室内の広さが魅力の軽スーパーハイトワゴンです。
高い天井と低いフロアにより、全長2155mm×全幅1345mm×全高1410mmという室内サイズを実現。すべてのシートに、前後の位置を別々に調節できる独立型シートスライドを採用することで、乗る人の体格に合わせたシートセッティングも可能です。
また、シートは前席の幅をたっぷりと確保し、後席には大きな背もたれを採用するなどで、ゆったりとくつろげる空間も演出しています。
●4位:日産デイズ
(室内サイズ:全長2065×全幅1340×全高1270mm)
2013年に初代モデルが登場、現行モデルは2019年3月から販売されている日産の軽トールワゴンです。全高は1640mmとスーパーハイト系ほどではありませんが、はやり広々とした室内が人気です。
特に後席は、大人でも脚が組めるほどのスペースを確保。フロア部に段差がないため、足元が窮屈に感じることがないのも特徴です。
室内の各装備は、たとえば2段構成のインストルメントパネルや精密な3Dパターンなどで先進的なデザインを採用。直感的に操作できるエアコンスイッチなどにより、使い勝手も満点です。
高速道路の渋滞時や長時間の巡航走行などで、アクセル、ブレーキ、ステアリングをクルマ側で支援してドライバーの負担を軽減する、プロパイロットも搭載されています。
●ダイハツムーヴ
(室内サイズ:全長2080×全幅1320×全高1280mm)
初代モデルが1995年に発売、現行モデルは6代目になるダイハツのロングセラー軽トールワゴンがムーヴです。
2014年に発売された現行モデルはダイハツ独自の軽量高剛性ボディ「Dモノコック」を初採用し、低燃費と高い基本性能を実現。2017年のマイナーチェンジでは、当時の軽自動車としては初の衝突回避支援システム「スマートアシスト」を採用し、安全性能の充実も図っています。
広々とした室内は、他のモデルと同様、大人4人がゆったりと座れるスペースを実現。また、シートアレンジが多彩なのも魅力で、ヘッドレストを外した前席を後ろに倒せば、足を伸ばしてリラックスできるロングソファモードになります。
後席シートは左右別々にスライドできるため、乗る人それぞれの体格に応じて足元を広げることも可能です。
加えて前後ドアがいずれも90度に2段階で開くため、乗り降りや大きな荷物の積み卸しがスムーズにできるのも特徴です。
(文:平塚直樹/写真:日産自動車、本田技研工業、ダイハツ工業、スズキ)