■GMとLG化学が、次世代用グローバルEVバッテリーシステム生産工場の建築工事を開始
以前お伝えしたように、GM(ゼネラルモーターズ)とホンダは、2020年4月2日(デトロイト時間)にGMが開発したグローバルEVプラットフォームと独自の「アルティウム」バッテリーをベースに、ホンダ向けの新型電気自動車(EV)2車種を共同開発すると合意しています。
さらにGMは、韓国のLG化学と新型バッテリーの生産に向けて設立した合弁会社「Ultium Cells LLC」が、オハイオ州ローズタウンで次世代グローバルEVバッテリーシステム「アルティウム」生産工場の建設工事に着手したと発表しました。
●いよいよ始動した、GMとLG化学のバッテリーEV用バッテリーセルの量産計画
これは2019年12月にGMとLG化学が発表したバッテリーEV用バッテリーセルの量産計画に沿うもので、両社は折半出資の合弁会社を通じて最大で総額23億ドルを投資するとすでにアナウンス済みでした。
当時の発表ではオハイオ州の新工場で1,100人以上の雇用創出すると共に、合弁事業によりkWhあたりのコストを業界トップレベルに削減するとしています。
また、新しいバッテリー工場は年間30ギガワット時以上の生産能力を確保、今後の拡張にも柔軟に対応し、両社は先進技術および低コストバッテリーの開発を進める合弁事業契約を締結するという内容でした。
現在は子会社などを含め、EV用のリチウムイオンバッテリーなどを自動車メーカー自らが電池を生産するのが主流ではなくなっています。
EVで先行した日産は、子会社のオートモーティブエナジーサプライの株式を売却、同社は中国のエンビジョングループ傘下に入り、新たなビジネスをスタートさせています。トヨタと長年手を組んできたパナソニックもテスラと電池を生産しています。
リチウムイオンバッテリーで世界シェアトップクラスのLG化学は、GM(ホンダ含む)の次世代EVの電池を担うことで、さらなるシェア拡大を図ることになります。
新型コロナウイルスの世界的大流行の中、GMは次世代EVの開発を急ピッチで進展しているとしています。同社は2020年の冒頭に、シェアリングサービス用の電動駆動自動運転モデル「クルーズ オリジン」がサンフランシスコで公開しています。
また、今のところ生産のスケジュールは明確ではないと前置きしているものの、今後発表される予定のラグジュアリーSUV「キャデラック リリック(Lyriq)」「ハマーEV(GMC HUMMER EV)」についても計画は予定通りとしています。
ホンダの新型EVも含めて、いずれも「アルティウム」バッテリーシステムが搭載されます。国策でEVの販売拡大を目指す中国は補助金頼みになっていて、新型コロナウイルスの影響も必至。EVに限らず世界的に需要が大きく下がっている中、GMに限らずEVの普及、推進には厳しい状況になっているのは間違いないでしょう。
(塚田勝弘)
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