RE雨宮ロータスヨーロッパ改13Bペリは、今見ても異次元のスーパーマシン【OPTION 1987年7月号より】

■伝説のコンプリートマシン・RE雨宮ロータスヨーロッパ改13Bペリ誕生!

伝説過ぎる雨さんのスーパーマシン『RE雨宮ロータスヨーロッパ改13Bペリ』の紹介、今回はその2です。

その1ではDai稲田ドライブによる谷田部シェイクダウンテストで最高速282.35km/h、ゼロヨン13秒36を記録。今回はメカニズムチェックを紹介しま~す!

■新次元の13Bペリだ!

●[痛快! 異色マシン試乗]雨さんちの真紅のロータスヨーロッパ

RE雨宮ロータスヨーロッパ改13Bペリ
バンクを走るRE雨宮ロータスヨーロッパ改13Bペリがカッコ良過ぎる!

エンジンはRE雨宮オリジナルの13Bペリ。長年の経験を生かしたポート位置&形状と、メカニカルインジェクション(ルーカス製)にスライドバルブ(スティック防止の改良済み)の組み合わせで、低中域回転からでも驚くほどスムーズに走れてしまう。

エンジン
RE雨宮オリジナルの13Bロータリーペリを搭載。

また、排気系を絞り込んでいることも、消音と低速域での使いやすさにつながっているのだ(ステンレス製の42φタコ足に大型のマフラーを2個セット)。

シフト部
左上にリバースを配置したレーシングパターンのシフト。

この280psをマークする13Bペリのパワーを伝えるのは、B&Bツインプレートを介してヒューランドの5速ミッション&デフ。このミッション&デフはレーシングカーに使われるものだ。

シャシーはノーマルの約3倍(ノーマルは78ps)のパワーに対応できるように、各部を強化している。

足まわりはラルト製F3用を上手く流用しながら、コニのアジャスタブルショックに、ベストマッチしたコイルスプリング(F5.5/R4.6kg/mm)をセット。

フロントのボンネット内
狭いスペースに大容量のガスタンクがカッコイイ。

フロントボンネットを外すとラジエターとフューエルタンクがある。このラジエターは旧RX-7(SA)用で、水平に近くマウントされ、ボンネットのダクトから冷却用の空気を抜いている。フューエルタンクはアルミ製。内部にスポンジを入れ、容量は45Lだ。

ボディは初期型のヨーロッパのオリジナルデザインを生かしながら、大幅なモディファイをしている。グラマーでより低いシルエットを作るが、実際の車庫ではノーマルより約2cm低いだけ。

コクピット
まさにコックピットという感じのインパネ。

室内はボディカラーに合わせてすべて張り替えられ、メーター類も流行のホワイトメーターが機能的にレイアウトされている。

ゼロヨン
ミッドシップながら、ゼロヨンでフルパワーをかけるとタイヤスモークが猛然!

このマシン作りで苦労した点は、シフトのリンケージとステアリング系だったそうだ。ステアリングフィーリングを良くするため、ステアリングギヤボックスを中央にしたり、またシフト系もヒューランドミッションを使ったため、新しくリンケージを作り直して、レーシングカー的なあまりにもクイックなシフトフィーリングを、わざと大きめのシフトストロークに変えるなど、数々の試行錯誤から作り上げられたスペシャルマシンなのだ。

RE雨宮ロータスヨーロッパ改13Bペリ
まるでプラモデルのような仕上がりを見せる、雨さんちの真紅のヨーロッパ
1987年7月号
OPTION誌1987年7月号の表紙。

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やっぱり雨さんとこのコンプリートマシンは凄い!の一言。次回はこの日、同時にテストしたシングルターボのFC3S「フォルティスRX-7ターボ」を紹介! え~っと、また、Daiちゃんが…!

[OPTION 1987年7月号より]

(Play Back The OPTION by 永光 やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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