■安全装備の強化、エクステリアのリフレッシュなど変更メニューは多彩
スズキのコンパクトカーであるスイフトが2020年5月15日に一部改良を受けました。
走りの良さが身上で、1.2L NA、1.2Lマイルドハイブリッド、1.2Lハイブリッド、1.4L直噴ターボ(スイフトスポーツ)という多彩なエンジンを設定しています。
さらに、1.2L NAは、5MTとCVT、1.2LマイルドハイブリッドはCVT、1.2Lハイブリッドはシングルクラッチの5AGSが組み合わされています。スイフトスポーツの1.4Lターボは、6MT/6ATを用意していることからもトランスミッションの種類の多さも特徴です。
パワートレーンでこれだけきめ細かい設定がされているコンパクトカーはほかにほとんどなく、購入時に迷いそう。逆に、自分の使い方、ニーズに合った選択が可能ともいえます。
■エクステリアのリフレッシュも敢行
今回の一部改良では、後退時ブレーキサポートと後方誤発進抑制機能をMT車をのぞいて標準装備。さらに、リヤパーキングセンサーのほか、全車速追従機能付のアダプティブクルーズコントロールが、MTとAGSをのぞいて全車に標準化されています。
ACCと共に高速走行時のドライブをサポートする車線逸脱抑制機能を用意。なお、スイフトスポーツは以前から標準化されています。
加えて、標識認識機能、斜め後方から接近する車両を検知するブラインドスポットモニター(車線変更サポート付)、駐車場などからバックで出る際に後方左右から接近するクルマを検知するリヤクロストラフィックアラートが全車に標準装備されています。ほかにも、オートライトシステムが全車に標準装備されています。
安全装備の強化により、スイフトとスイフトスポーツは「サポカーS ワイド」、国土交通省による「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)認定車」に該当したことになります。
今回の一部改良は、安全装備の強化だけでなく、スイフトはグレード構成の見直しも行われています。エアロ形状の前後バンパーやルーフエンドスポイラーが新デザインとなったハイブリッド車「HYBRID SZ」を用意するなど、5グレード展開に整理されています。
これにより、ガソリンエンジンが「XG」「RS」の2グレード、マイルドハイブリッドが「HYBRID MG」「HYBRID RS」の2グレード、ハイブリッドが「HYBRID SZ」が1グレードとなりました。
エクステリアにも手が入れられています。顔つきは、立体感が強調され、新デザインのフロントメッキグリルになり、存在感が高まっています。
シルバー塗装の新意匠アルミホイールを採用(XG、HYBRID MGにアップグレードパッケージとしてメーカーオプション設定)。足元には、切削加工とブラックのペイントが目を惹く新デザインのアルミホイールが「RS」「HYBRID RS」「HYBRID SZ」という上位グレードに用意されています。
安全装備以外の装備、仕様変更も受けています。オーディオでは、フロント2ツイーター&リヤ2スピーカーが全車に標準装備され、計6スピーカーを搭載。また、マルチインフォメーションディスプレイにデジタル車速表示が追加されています。
また、ボディカラーにも新色が設定されています。「フレイムオレンジパールメタリック/ブラック」の2トーンルーフを全グレードに新たに用意。
「バーニングレッドパールメタリック」「スピーディーブルーメタリック」に、新たにブラック2トーンルーフが設定されています。こちらは、スポーティ系グレードの「RS」「HYBRID RS」「スポーツ」が対象。さらに、スイフトスポーツ以外に「ラッシュイエローメタリック/シルバー2トーンルーフ」新たに設定しています。
今回の一部改良では、スイフトが全10パターン、スイフトスポーツには計9パターンのボディカラーを設定。価格帯は、スイフトが153万5600円〜208万7800円、スイフトスポーツが201万7400円〜208万8900円です。
定評ある走りの良さ、今回の安全装備の強化に加えて、デザインのリフレッシュや新色の設定などにより大幅に商品力を強化したスイフト/スイフトスポーツ。
登場から3年半近く経つものの、トヨタ・ヤリス、ホンダ・フィットなどのフルモデルチェンジを受けたライバルに対抗できる魅力を備えてます。
(塚田勝弘)