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■走らなくては意味がない! OPTツインエンジン・シティ4WD化計画は果たして…!?
OPTIONが本気出してやるおバカ企画『OPTツインエンジン・シティ4WD化計画』3回目は、エンジンが2コ載っても走らなくちゃ意味がない! 駆動系の計画案を紹介します。
ではさっそく、ドーゾ!
●2アクセル、2クラッチ、2シフトのアイデアも新鮮なんだけどね!
基本コンセプトと言ったって、そんなに大げさなもんじゃない。自分たちだけですべてをチャレンジするってことと、言い出しっぺのDaiが「どんなに怖くても谷田部を走る!」といったことぐらい。なんてのは半分ジョーダンだけど、溶接や旋盤などの機械作業にもチャレンジしてみようという意気込みなのだ。
エンジンはガソリンタンクが設置されているフロントに積まれる(本当はここにあったんだからね)。が、フロントメンバーなどは生きているから、それほど大変な作業とは思えない(だといいけどね)。
サスペンションも、フロントはノーマルなのでドライブシャフトを取り付ければ前のタイヤにパワーが伝わるハズ。フロントにあったガソリンタンクは小型のものに作り直して助手席に設置し、壁を作ってドライバーからは隔離する予定だ。
ここまではスッキリと考えもまとまるのだが、これからが大変なのだ。
まず、エンジンがふたつになるのだから、アクセルとクラッチ、さらにシフトレバーも当然ふたつになる。ところが、残念ながらDaiには手も足も2本ずつしかないので、すべてをダブルで可動するようにリンケージを考えなければならない。
これが一見簡単そうで難しく、今から頭が痛いのだ。実際、このあたりをよっぽどしっかり製作しないと結局、マイナートラブルで走れないという事態は目に見えている。今回はイラストで示したけど、これも今後もっと複雑化しそうな気配だ。
また、電気系もムチャクチャ難しい。ミッドエンジンに現在配線されているところへ、もう1本のラインをどうやって取り回すかが問題だ。
ラジエターの配管も同じ。現在ラジエターはノーマルの位置で、長い配管でリヤまで引っ張っている。これを今回はフロントエンジン用に使って、リヤ用はボディサイドにラジエターを新設するか、フロントのボンネットに設けられたターボ用のバルジを利用して、インタークーラーのようにエンジン上部に寝かせて設置するかのどちらかだろう。
このあたり、外観のデザインにも大きく影響してくるので、多少困難な作業でも手を抜かないで、見た目も大切にしていきたい(あくまでもいきたいという希望だけど)。
●スタイルはプジョー205ターボみたいなグループBにしたいな!
さて、外観はどうしようか? どうせならラリー車のグループB的なセンスでまとめてみたいね。目標はプジョー205ターボといったところだけど、どこまでできるかは誰も予想がつかない。でも、できるだけマッドハウス的なセンスと技術でカッコいいクルマに仕上げたい。
ミッド化の時は、外観はあくまでもノーマルに近くして、そのまま街中を走行できるようにしていたので、今回は相当派手にしたいのだ。特にプジョーのように、ルーフからフレッシュエアをエンジンルーム(リヤ側)に導入したり、サイドラジエターにしたりして、あらゆる部分にエアダクトを付けてみたい。
タイヤも超ワイドとも思ったんだけど、パワーを考えればP7の195あたりで十分だ。ホイールはこれまた個人的趣味で、ヴィンミューレに決めている。これでもフェンダーから多少タイヤが出るようになるので、ブリスタースタイルで決めたいんだけど、素人には無理かもしれない。
●ミッキーが見つけてきたお宝エンジンは、アッセンブリーで9万円、しかし…
軽く30度を超す真夏日に、ミッキーが雨さんちから借りてきた軽トラで、半分に切断されたシティを運んできた。フロントに載せるエンジンは中古を単体で買うつもりだったけど、ABRの細木さんからリヤの事故車をそっくり買ったほうが、パーツの供給が楽だとのアドバイスがあった。
そして買ってきたのが、フロント関係一式で9万円のシティだった。ところがエンジンルームを開けて超ビックリ! 思わず後ろにひっくり返りそうになってしまった。というのは、なんとそのシティはターボではなかったのだ。ミッキーの言い訳は「Daiが何でもいいって言ったから」。
これには唖然…。だってターボとノンターボのエンジンマウントやドライブシャフトが違っていたらどうするの? そうでなくても、クルマは同車種でも内容変更が当たり前になっているんだから、違う可能性は大。
まぁ、これも調べてみないと分からないけど、とにかく返品のきかないクルマのおカシラがドンと置かれていることだけは確かなのだ。
たとえば、上手くエンジンを搭載できたとしても、後ろのターボ(それもHKSのフルチューン!)と、前のノンターボでバランスが取れて走れるのだろうか? 当然ギヤ比も違うし、パワーも違う。
でもDaiは「それならちょうど、フロントとリヤのパワー配分が4対6くらいになってベスト」という。ホントかね。
まぁとにかく、すべてやってみなくちゃわからないという無責任なチャレンジ精神でやるっきゃない。汗と油まみれの毎日に向かってGO!なのだ。
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さて、マジでおバカをやるOPTION編集部の体力・気力はどーなるのか?の続きは近日公開(予定)!
[OPTION 1986年10月号より]
(Play Back The OPTION by 永光 やすの)