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■AT/ツインターボで軽く270km/hオーバーです
●【stayhome】のお楽しみ、昭和OPTIONはコチラです!
本当はみんな大好き(!?)、コッソリと楽しむチューニングカーの世界をご案内しま~す! しかもclicccarで紹介するのは昭和OPTIONですよ!
で、今回は、1986年10月号に掲載されたTest on Roadの中からこの1台。ニッサン色の強いRSヤマモト・チューンではちょっと珍しいセリカXXの谷田部・最高速テストです。
Test on Roadというのは、大特集ではないけれどコレゾ!というマシンの紹介コーナー。谷田部の最高速だったり、峠でのインプレッションだったり、また自動車メーカーの試乗会時のインプレッションだったり、です。
では、RSヤマモト自慢のセリカXXをドーゾ! あ、コレ、Daiちゃんのテストです。やっぱり壊してました(笑)!
【Test on Road セリカXX2.8GT by RSヤマモト】
●イージーな速さに脱帽
スープラはちょっと高級指向したもんだから、手軽なチューニングベースというわけにはいかない。で、まだまだ旧セリカXXがいじりやすいってわけだ。
このXXもRSヤマモトに持ち込まれた一台だが、57年式の2.8GT、しかもAT仕様という街乗りグルマだ。
しかし、RSヤマモトのツインターボというフルチューンにかかると化け物に変わってしまう。元々5M-Gといえばポテンシャルが高く、2バルブながらDOHCなのでチューンしやすい。トラストのタコ足を使ってツインターボが収まっているのだ。
走り始めて気が付いたのは、ATミッションが大分傷んでいる点。Dレンジでの2速がない。で、慎重にエンジン回転を上げていく。ブースト1.0kg/cm2のツインターボトルクは凄い。7000rpmまで引っ張れるらしいが、あくまでも慎重に。3速の6500rpmくらいでODスイッチをON。ヒュンと回転が落ちた後、スピーディな加速を開始する。
足まわりはRSヤマモトオリジナルだが、相変わらず安定していて不安がない。
タイヤがピレリP700のためかシットリした乗り心地でもある。やはりストリートユースに徹しているわけだ。
ODのままでエンジン回転は5000rpmあたりがピークだった。273.76km/hだ。しかし、このミッションでは400psというパワーが確実に伝わっているか分からない。事実、ブーストをちょっと上げてテストしたら完全にミッションが壊れてしまった。
普通ならキックダウンやシフトダウンで凄いストリートの加速を楽しめるんだろうな。
最近のスポーティカーはエンジンが強力なのにATとの組み合わせが多い。新型ソアラ/スープラの7M-Gや新レパードのVG30DEなどがそうだ。どうしてもチューンしたときの問題になる。ま、ATの容量に合わせて400ps以内に抑えることがポイントかもしれないね。
<メカニズムチェック>
このセリカXX2.8GTは、AT仕様のため低中速域を損なわないようにチューンされている。
圧縮比はターボ化で7.8に下げられ、85mmカールシュミット鍛造ピストンを使用、ボア×ストロークは85.0×85.0mmで排気量は2892ccだ。エンジン本体はこの他に、クランクシャフトがバランス取りされ、トラストGREXカムシャフトに交換したくらいにとどまっている。
そして三菱TD06タービンをツイン装備。コンプレッサーは17C、排気ハウジングは6cm2を使用する。インタークーラーやステンレス製タコ足はトラストSPLタイプ。燃料供給システムはEFIで400cc/分の追加インジェクターを3本セットして、トラストRebicでコントロールを行っている。
これで5M-G改は最大出力400ps/6500rpm(ブースト1.0kg/cm2時)を絞り出す。ちなみにレブリミットは7000rpm。
フレキシブル、プラスこのパワー。さすがRSヤマモトだ。
[OPTION 1986年10月号より]
(Play Back The OPTION by 永光 やすの)