子育て世代が支持! N-BOXやタントなどスライドドア付き軽自動車が人気の理由

■新車販売台数の上位をスライドドア車が独占!

今や国産車の人気上位を常に占めるようになった軽自動車ですが、中でもスライドドア付きのモデルが売れています。2019年4月〜2020年3月までの軽自動車・新車販売台数でも、上位をスライドドア車が独占しています。

ここでは、いま人気のスライドドア付き軽自動車トップ3の紹介と、特に、軽自動車を使うことが多い子育て世代などになぜ支持されるのかを探ります。

スライドドア付き軽自動車
小さい子供がいる家庭にスライドドア車は人気だ

●スライドドア付き軽トールワゴンが人気!

全軽自協(全国軽自動車協会連合会)が発表した2019年4月〜2020年3月までの軽自動車の新車販売台数(累計)ベスト3は、以下の通りです。

1位 ホンダ・N-BOX  24万7707台(前年比103.3%)
2位 ダイハツ・タント 17万2679台(前年比121.1%)
3位 スズキ・スペーシア 15万9799台(前年比100.9%)

この結果から分かる通り、上位を占めるのは、いま人気の全高1700mmを超える軽トールワゴンで、しかもすべてスライドドア車です。まずは、各モデルの特徴を簡単に紹介しましょう。

●1位 ホンダ・N-BOX

軽自動車の新車販売台数では5年連続、登録車を含む国産車の新車販売台数でも3年連続で1位を獲得しているホンダの大ヒット軽トールワゴンです。

スライドドア付き軽自動車
ホンダ・N-BOXシリーズ

主な特徴は、室内長2240mm、室内高1400mmという軽自動車最大級(ホンダ調べ)の余裕のスペースや、全車に標準装備した先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」、優れた燃費性能などです。

電動で開け閉めが可能なパワースライドドアは、リア左側がG以外のグレードに標準装備(カスタムは全グレード)。リヤ右側もターボ仕様に標準装備で、LやEXにはメーカーオプションで設定されています(カスタムも同様)。

リア左のパワースライドドア装着車は、ディーラーオプションで、ドア下に足をかざすだけでスライドドアの開閉ができるハンズフリースライドドアも用意。子供や荷物を抱えて両手が使えないときなどに便利です。

●2位 ダイハツ・タント

軽トールワゴンの定番モデルがタント。近年、ホンダやスズキの攻勢により、やや販売台数が落ち込んでいましたが、2019年7月のモデルチェンジにより人気が復活し、今回は2位を獲得しています。

スライドドア付き軽自動車
ダイハツ・タント

大きな特徴は、助手席側のセンターピラーをなくしたミラクルオープンドアの採用。これにより、助手席ドアと後席スライドドアを開けると開放感たっぷりの空間が広がります。また、低床のステップなどにより、小さな子供や高齢者の乗り降りがとても楽なのが人気です。

スライドドアはウェルカムオープン機能付きの電動パワースライドタイプを採用。これは、乗車時に電子カードキーを持ってクルマに近づくだけで、パワースライドドアが自動で解錠しオープンする(降車時にインパネのスイッチで事前予約が必要)というものです。

荷物や子供を抱えるなどで両手がふさがっているときでも、キーを取り出す必要がないのは便利ですよね。

左側パワースライドドアは、Xターボ、X、カスタムRS、カスタムXなどに標準装備。右側パワースライドドアはカスタムRSやカスタムXなどのグレードに標準装備されています。

●3位 スズキ・スペーシア

2017年12月にフルモデルチェンジした現行モデルも、広い室内が魅力のモデルです。

スライドドア付き軽自動車
スズキ・スペーシア

室内長2155mm、室内高は1410mmで、高い天井と低いフロアでゆとりのスペースを実現。すべてのシートに、前後の位置を別々に調節できる独立型のシートスライドを採用することで、乗員の体格に合わせたシートセッティングも可能です。

電動パワースライドドアは、閉めている途中に携帯リモコンでドアロックが予約できる機能付き。ドアが閉まりきってロックするまでを待つ必要がないため、例えば遊園地などの駐車場で、クルマを降りた子供が「早く行こう!」と走り出しても安心です。また、挟み込み防止機能も付いています。

ハイブリッドXにのみ左右ドアが標準装備されています(ハイブリッドGは両側装着不可)。

●子供の着替えや荷物の積み卸しなども便利

2019年4月〜2020年3月までの軽自動車の新車販売台数(累計)では、これら以外でも、15万4881台で4位の日産・デイズにはデイズルークス(2020年4月のモデルチェンジでルークスに改名)、11万8675台で5位のダイハツ・ムーヴにもムーヴキャンパスといったスライドドア車が含まれています。

そう考えると、いままさにスライドドア車の全盛時代だといえるでしょう。

スライドドア付き軽自動車
デイズルークスの新型は車名をルークスに変更。両側スライドドアを採用する

これらスライドドアの軽自動車は、2007年に発売された2代目の先代タントが火付け役です。

前述の通り、助手席側のセンターピラーをなくしたミラクルオープンドアの採用で、前後ドアを両方とも開くと開口部がとてもワイドになることで大きな人気を獲得。その後、スズキやホンダもスライドドア付きの軽乗用車を出して追従したことで、現在のように車種が広がったのです。

こうしたスライドドア車が人気を得た理由は、軽自動車を使うことが多い子育て世代にとって、とても便利だということでしょう。

小さい子供がいる家庭では、子供を抱えながら荷物も持って乗り降りすることはよくあります。この時に、後席に電動スライドドアがあり、リモコンキーのスイッチ操作で自動で開けば、手が塞がっていても開閉が可能です。

また、チャイルドシートは後席に装着するため、後席にスライドドアがあると子供をシートに乗せたり降ろしたりするスペースが十分に確保されます。

スライドドア付き軽自動車
子供をチャイルドシートに乗せたり降ろしたりする際も、スライドドアは楽だ

スライドドアは、開閉時にドアパネルが外側に開かないため、駐車場のスペースが狭く、隣のクルマとの間隔があまりない場合でもドアをぶつけにくいのもいいですね。

ほかにもメリットは数多くあります。例えば、小さい子供を室内で着替えさせる時も便利です。スライドドアを備えた軽自動車には全高が高いトールワゴンが多く、室内が広いため、スライドドアを開いてボディ横から着替えさせることも可能。

荷室が比較的広いため、ちょっとした家族旅行でも荷物が積みやすいことも魅力です。

ちなみに、スライドドア車は登録車でも2019年4月〜2020年3月までの新車販売台数で、4位に日産・セレナ(10万17台)、5位にトヨタ・シエンタ(9万5933台)、7位トヨタ・ヴォクシー(8万9944台)、9位トヨタ・ルーミー(8万6645台)と、トップ10に3台が入っています(「日本自動車販売協会連合会」調べ)。

スライドドア付き車
かつてスライドドアといえば、ヴォクシーやノア、セレナなどミニバンの専売特許だったが、近年は軽自動車にも多く採用されるようになった

そう考えるとスライドドア車は、いまや国産車のスタンダード的な装備になったといっても過言ではないでしょう。

(文:平塚直樹/写真:本田技研工業、ダイハツ工業、スズキ、日産自動車、トヨタ自動車)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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