■ジープからPHEV技術を流用で生産コストを削減
アルファロメオが開発を進める新型コンパクトクロスオーバーSUV「トナーレ」に、高性能版「Quadrifoglio」(クアドリフォリオ)が設定されない可能性が高いことがわかりました。
トナーレは、2019年のジュネモーターショーでコンセプトモデルとして初公開されました。「ステルヴィオ」の下に位置するコンパクトモデルであるとともに、同ブランド初のPHVモデルであることも注目されています。
キャビン内には、12.3インチのフルデジタルクラスタ、ダッシュボードのセンターには10.25インチのワイドタッチスクリーンを配置、アルファロメオ最先端のテクノロジーが搭載されたクロスオーバーSUVです。
市販化されれば、メルセデス・ベンツ「GLA」をはじめ、BMW「X1」、アウディ「Q3」、ボルボ「XC40」などプレミアム・コンパクトSUVと市場で争うことになりますが、世界的に人気のセグメントであり、販売面でも大きな期待が寄せられています。
メルセデス・ベンツには「AMG」、BMWには「Mスポーツ」、アウディには「RS」など高性能版が設定されており、トナーレにも同社自慢の「クアドリフォリオ」の設定が期待されていました。
しかし、自動車サイト「AutoBlog」によると、トナーレは生産利益を第一に考えたエントリーモデルであり、スポーツモデルを投入することはないだろうと予測しています。
確かに「Giorgio」(ジョルジオ)プラットフォームをベースとする「ステルヴィオ」や「ジュリア」と異なり、トナーレはジープ「レネゲード」や「コンパス」から「FCA Small Wide 4×4」アーキテクチャや、プラグインハイブリッド技術を流用、生産コストを大幅に削減しており、利益面で同ブランドの主力へ期待されていることがわかります。
パワートレインは、1.3リットル直列4気筒エンジン+電気モーターで、最高出力は240psを発揮、EVでの航続距離は31マイル(50km)、電気モーターの最高速度は130km/hと予想されています。
しかし、ハイエンドモデルでは、最高出力330psを発揮する2.0リットル直列4気筒ターボチャージャー付きマイルドハイブリッドエンジンの搭載が噂されており、これでクアドリフォリオの設定を補えるという考えもあるのかも知れません。
市販型のワールドプレミアは、2021年に計画されていますが、コロナウィルスの影響で遅れる可能性もありそうです。
(APOLLO)