人気再燃!?  新車でマニュアル仕様がある国産セダン・ワゴン・SUV8選【2020年版】

■トヨタやマツダの新型車にMT設定が増加中

AT車(オートマチック・トランスミッション)が全盛の近年の国産車ですが、実は新型車にあえてMT(マニュアル・トランスミッション)車の設定をしているモデルも出てきています。

操る楽しさが味わえるMT車が見直されているようで、特にトヨタやマツダのニューモデルにその傾向が強いようです。しかも、一時期はスポーツモデルに多かったMTですが、最近はセダンやワゴン、SUVにも設定されているモデルが出てきています。ここでは、そんなモデルたちをいくつか紹介してみましょう。

国産MT車
セダンやワゴン、SUVの新型車にもMT設定が増えてきた(写真はイメージ)

ちなみに、ここで紹介するのはアクセル・ブレーキ・クラッチの3ペダルがあるモデルに限定していて、ATモード付きシーケンシャルトランスミッション車やパドルシフト付きAT車は除外しています。

●トヨタ・カローラ/カローラツーリング

1966年の誕生以来、世界中でベストセラーを続けている大衆車の代名詞が「カローラ」。2019年にセダンタイプのカローラと、ワゴンのカローラツーリングがモデルチェンジされましたが、いずれのモデルにもMT仕様が設定されています。

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トヨタ・カローラ

現行モデルは、トヨタ独自のクルマの骨格構造TNGAプラットフォームを採用したことなどで、従来の5ナンバーサイズから3ナンバーサイズと車体が大型化。また、スマートフォンとの連携が可能なオーディオディスプレイを採用するなど、利便性の向上も図られています。

ラインアップには、大きく分けて1.8Lハイブリッド車、1.8Lと1.2Lのガソリン車がありますが、そのうち1.2Lの4気筒ターボの2WD(FF)仕様に「i-MT」という機構を搭載した6速MT仕様があります。

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トヨタ・カローラツーリング

インテリジェント・マニュアル・トランスミッションを意味するi-MTは、発進時や変速時に自動で最適なエンジン回転数に合わせてくれる機能。これにより、特にシフトアップやシフトダウンを繰り返すワインディングなどでは、MT車を操る楽しさが存分に味わえます。

1.2Lターボ i-MT車の価格(税込)は、カローラが240万9000円、カローラツーリングが245万8500円です。

●マツダ・MAZDA6 セダン/MAZDA6 ワゴン

2019年に走行性能の向上などを施したマイナーチェンジに合わせて、従来のアテンザから車名を「MAZDA 6」に改名したマツダのフラッグシップモデル。ボディ形状でMAZDA6 SEDAN(セダン)とMAZDA6 WAGON(ワゴン)がありますが、いずれのモデルにも6速MTの設定があります。

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マツダの旗艦モデル、MAZDA6セダン

MAZDA 6のセダン及びワゴンには、エンジン形式で大きく分けると2.0Lガソリンの「SKYACTIVE-G 2.0」搭載車、2.5Lガソリンの「SKYACTIVE-G 2.5」搭載車、2.2Lディーゼルの「SKYACTIVE-D 2.2」搭載車があります。また、それぞれに2WD(FF)車と4WD車の設定があります。

そのうち、6速MT仕様があるのは「SKYACTIVE-D 2.2」搭載車です。17インチアルミホイールを装備した中間グレードのXD PROACTIVEと、19インチのアルミホイールにホワイトの内装などが選べる最上級グレードのXD L Package、それぞれの2WD車と4WD車に設定があります。

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MAZDA6ワゴン

力強いトルク感などで定評があるクリーンディーゼルエンジンとMTの組み合わせは、スポーツカー的な自在に操る楽しさが味わえること間違いなし。MT仕様の価格(税込)は、セダン・ワゴン共に356万4000円〜429万5500円です。

●マツダ・CX-3/CX-30/CX-5

クーペ風の流麗なボディと余裕の室内などにより、近年高い人気を誇るのがクロスオーバーSUVです。中でもマツダは、2012年に発売した「CX-5」の成功により、SUVのラインアップを拡大。ボディサイズによってCX-5より小型の「CX-3」、それらの中間サイズとなる「CX-30」、そしてマツダSUVのフラッグシップともいえる最も大型の「CX-8」といった4タイプを販売しています。これらのうち、CX-3、CX-30、CX-5にはMT車の設定があります。

まず、エンジン形式によりCX-3には2.0Lガソリンの「SKYACTIVE-G 2.0」搭載車と、1.8Lディーゼルの「SKYACTIVE-D 1.8」搭載車があり、それぞれに2WD(FF)と4WDが設定されています。

そのうちディーゼル仕様車の2WDと4WDの両方に6速MTの設定があります。MT設定があるモデルの価格(税込)は248万1600円〜です。

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マツダ・CX-3

次に、CX-30には、やはりエンジン形式で2.0Lガソリンの「SKYACTIVE-G 2.0」搭載車、1.8Lディーゼルの「SKYACTIVE-D 1.8」搭載車を設定。加えて、走行性能と低燃費を両立したマイルドハイブリッドの新世代エンジン「SKYACTIV-X」搭載車も用意されています。また、2WD(FF)と4WDがあるのも同様です。

CX-30のMT車は、これらの中で、ディーゼル車を除く2タイプのエンジン搭載車の2WDと4WDそれぞれに設定があります。いずれも6速マニュアル・トランスミッションを搭載、MT設定があるモデルの価格(税込)は239万2500円〜です。

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マツダ・CX-30

CX-5のラインアップは、大きく分けて2.0Lガソリンの「SKYACTIVE-G 2.0」搭載車、2.2Lディーゼルの「SKYACTIVE-D 2.2」搭載車の2タイプ。それぞれに2WD(FF)と4WDがあるのもほかの2モデルと同じです。

MT仕様があるのは、やはり2.2Lディーゼルの2WDと4WDで、それぞれ6速マニュアル・トランスミッションを搭載しています。MT設定車の価格(税込)は293万7000円〜となっています。

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マツダ・CX-5

MAZDA6同様、お得意のディーゼルエンジン搭載車にMT仕様を用意するあたりが、近年のマツダの最も大きな流れのひとつといえるでしょう。

●トヨタ・CH-R

トヨタ車でMT設定があるSUVモデルをもう1台。コンパクトSUVの「CH-R」にも、1.2L直列4気筒ターボエンジンを搭載した2WD(FF)モデルと外装や足回りをスポーティに強化した高性能仕様のC-HR GRスポーツにMT仕様があります。

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トヨタ・C-HR

いずれも、カローラにも採用されている6速のi-MT仕様で、変速時や発進時に最適なエンジン回転数に自動で合わせてくれる優れモノです。CH-Rは2014年の登場以来、毎年販売台数の上位をキープしているヒットモデル。小柄なボディとスポーティで流麗なフォルムなどが人気の秘密のようです。

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トヨタ・C-HR GRスポーツ

ラインアップには、ほかにも2WDに1.8Lガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドと、4WDでは1.2Lガソリン車を用意。MT車以外は全て無段変速機構を持つオートマのCVTを装備しています。6速MTの設定があるC-HRの価格は236万7000円〜です。

(文:平塚直樹 写真:トヨタ自動車、マツダ)

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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