「本当なの!?」彼女が驚いたワケは? 久保まい×BMW740Ld xDrive【注目モデルでドライブデート!?Vol.26】

■運転が楽しいディーゼルセダン

「本当に軽油なの? 軽油ってディーゼルエンジンのクルマに入れるんだよね? このクルマはディーゼルエンジンじゃないでしょ?」。休暇をとった彼女を乗せて、BMW740Ld xDriveで千葉へと向かう。給油のために立ち寄ったガソリンスタンドで、店員に軽油をオーダーしたボクを見て彼女はそう言った。

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ストレッチトボディで威風堂々
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贅沢かつスポーティ
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ときには座りたいリアシート

無理もないだろう。なぜなら、このクルマにはまったくディーゼルエンジンらしさがないのだから。同乗者はもちろん、運転しているボクだってそれを忘れてしまいそうになる。それほどまでにディーゼルエンジンらしさがないのだ。

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洗練されたディーゼルエンジン

まず、ディーゼルらしいガラガラとしたノイズや振動がまったく感じられない。“音が少ない”なんてもんじゃなく、まったくしないのだ。重箱の隅をつくレベルの話でいえば、エンジンをかけたままクルマの外に出た時に、エンジン下の地面からの反射音がほんのわずかにディーゼルらしく聞こえる程度。そこまでしっかりと音は抑え込まれている。

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ノーズにはストレート6が収まる

さらにディーゼルエンジンにつきものの振動だが、これもガソリン車と変わらない。もちろんBMWのテクノロジーも大きく効いているはずだが、エンジンが6気筒というのにも大きな意味がある。世の中にある多くの乗用車のディーゼルエンジンが4気筒なのに対し、この740dはなんと6気筒なのだ。しかも直列というのがBMWらしい。

Sghr factory shop
「こちらがファクトリーショップでございます」
Sghr factory shop
Sghr factory shopにて。ガラス製品メーカー「菅原工芸硝子(Sghr スガハラ)」の創業は、昭和7年に遡る。
Sghr factory shop
本社工房が東京亀戸から千葉九十九里に移されてほぼ半世紀。ハンドメイドの美しいガラス製品を送り出し続けている。
Sghr factory shop
敷地内には、同社のガラス製品が網羅される「スガハラ ファクトリーショップ」が設けられる。

そしてこのディーゼルエンジンの真骨頂は、抜群の快適性で同乗者に優しいだけでなく、ドライバーをもハッピーにしてくれること。ドライバビリティが抜群にいいのである。

一般的にディーゼルエンジンは、低回転域のトルクが太くて運転しやすいいっぽう、高回転が苦手、とされている。気持ちのいいガソリンエンジンのような伸びやかな感じがなく、爽快ではないからドライバーは楽しくない。

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運転が楽しいビーエムの室内
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モダンアートのようなATシフター

しかし、このディーゼルは太い低回転トルクというディーゼルのメリットはそのままに、リニアに盛り上がる高回転が気持ちいい。エンジンの味を楽しめるのだ。これぞ「駆け抜けるよろこび」を具現化したディーゼルに他ならない。

Sghr factory shop
「どれ買って帰ろうか?」
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shopの隣にはCafeも併設されるので、ランチも楽しめる。
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ショップのアドレスは千葉県山武郡九十九里町藤下797。

「ディーゼルエンジンってウルサイんじゃなかったの? ぜんぜんわからないね」

きっと、彼女じゃなくてもこのディーゼルエンジンには騙されることだろう。ボクだって、間違えてガソリンを入れそうになったほどだから。

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「ドライブ、楽しいね!」

(文:工藤貴宏/今回の“彼女”:久保まい/ヘア&メイク:牧 詠子/写真:ダン・アオキ)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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