異音の発生とは?故障の前兆、大事故につながるので要注意!【自動車用語辞典:トラブル編】

■どんな音か、どこから聞こえるかで、不具合箇所はある程度特定可能

●発生源は、エンジン、排気系、足回りが多い

クルマの重大な故障の前には、必ず部品が正常に機能していないことを示す異音の発生などの前兆があります。異音によってクルマの異変をいち早く察知すれば、重大な故障やそれに起因する事故を防ぐことができます。

クルマの異音が、どのような不具合で発生しているのか、解説していきます。

●クルマから発生する異音

クルマから発せられる異音を言葉で表現するのは難しいですが、「カラカラ」や「ガラガラ」、「キンキン」、「キュルキュル」などさまざまな異音が発生します。

異音の発生源は、主としてエンジンと排気系、足回りですが、以下に具体的な事例について紹介します。

●エンジンからの異音

エンジン内部は高温高圧で摺動部品の塊なので、故障を放置すると大事故になる可能性があり、十分な注意が必要です。

・「カリカリ」、「キンキン」、「カンカン」という金属音
エンジンのオーバーヒートによって、燃焼室壁面や点火プラグの温度が上昇して、激しいノックやプレイグなど異常燃焼によって異音が発生します。冷却水や潤滑オイル不足、冷却システムの不具合が原因と考えられます。対応が遅れれば、シリンダーヘッドガスケットの破損やエンジン潤滑部が焼き付くなどエンジンは完全に壊れます。

・「ゴロゴロ」音とともに出力も低下
クランクシャフトのメインジャーナルやクランクピンの回転部が潤滑不良のため、金属接触となり異音が発生。そのまま走行を続けると、メタル部の焼き付きが発生するので早急な点検と修理が必要です。

・「キュルキュル」と加減速時に目立つ異音
タイミングベルトなどベルト類の緩みや滑りによってベルトの滑り音が発生します。ベルトの劣化やベルトの張り調整不良、ベルトに水やオイルがかかったなどの原因が考えられます。ベルトが切れると、エンジンは突然停止するので早めの対応が必要です。

●排気系からの異音

排気系には、排気音を低減するためにマフラー(消音器)が装着されていますが、マフラーの損傷などの不具合に起因する異音が多いです。

・「ボー」とこもったような異音
マフラー破損による排気ガス漏れ、排気管の接合部のガスケッ不良によるガス漏れによって異音が発生します。排気ガス中には水分が含まれるため、マフラーに水が溜まり腐食して、穴が開くという事例は最近少ないですが、昔はよくあります。

・「ザワザワ」と加減速時に擦れるような音
排気系の一部が、遮熱板などの車体系部品と接触して擦れると異音が発生します。排気系を吊っているゴム製部品の劣化や破損などが原因で起こりますが、車体が揺れる加減速時に目立ちます。

●足回りからの異音

タイヤやブレーキ、サスペンションの不具合の多くは、壊れる前の前兆として異音とともに振動も発生します。大事故になる前に、早めの点検と修理が必要です。

・「キーキー」とブレーキを踏んだ時に発生
ブレーキパッドの摩耗や調整不足によって起こります。パッドの残量が少ない、ローターの表面が荒れてくると、ローターとパッドが振動して異音が発生します。

・「ゴトゴト」「ボコボコ」と段差を乗り越えるときの鈍い音
ショックアブソーバーのダンパーやスプリング取り付け部の緩み、ショックアブソーバーのガス抜けやオイル抜けなど、サスペンションの緩衝機能が低下した場合に異音が発生します。

・「パカパカ」「キュルキュル」などさまざまなタイヤの異音
タイヤの空気圧不足や偏摩耗、パンク状態などで異音が発生します。

ショックアブソーバーとブレーキの構造
ショックアブソーバーとブレーキの構造

一般ユーザーがクルマの異音を聞いて、どこが不調か不具合かを特定するのは難しいと思います。ただし、いつもと違う異音が発生していることは、注意していれば気付くはずです。

異音を感じたら、すぐに販売店や整備業者に見てもらうのが安全です。

(Mr.ソラン)

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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