巨体なのに身のこなしはコンパクト。その秘密はハイブリッドにあり!?【アウディ Q8】

●フルサイズSUVのクーペ版。22インチホイールでサイズに違和感!?

アウディの大型SUV・Q8に試乗しました。このモデルは先に発売されて好評の大型3列シートSUV・Q7をベースに、全高を落としてスタイリッシュなデザインのボディとしたクーペSUVです。

全高が低いほか、前後のドアにはサッシが設けられないタイプを採用するなど、よりスポーティなディテールもセットされています。

アウディQ8
グリルは最新の8角形のもの

全長は4995mm、全幅は1995mm。全高は1705mmと堂々たる体格です。しかしながら前後になんと(大型ボディに呼応する)巨大な22インチものホイールを採用することなどもあり、実際に近寄ってみるまではサイズ感がわからない不思議なクルマとも言えます。

アウディQ8
左右をつなぐ細いバー状のテールライトが特徴

ラゲッジルームは大きな容量を持っていますが、何ぶん最低地上高が235mm(Sラインは215mm)としっかり取られたモデルのため、大きな荷物を積み込むときにはよいしょっという感じになり、やや厄介です。

アウディQ8
これは通常の車高です

そんな時にはラゲッジの左壁に設置されたエアサスのスイッチを操作することで、一気に車高を下げることができますので楽なのでした。

アウディQ8
荷室左のスイッチで車高が変わります
アウディQ8
これは車高を最大限下げた状態

インテリアはピアノブラックのパネルをかなり大きな面積に使っており、まるでインパネ全体に水を張ったかのように綺麗な表面が魅力です。

アウディQ8
センターには2枚のディスプレイ。下でエアコン等を操作します

センターには大きなモニターが2枚セットされています。上部はナビ等用の10.1インチタッチパネル。下の8.6インチタッチパネルではエアコンのコントロールなどが可能です。このため物理スイッチの数は極限まで減らされており、ミニマルな印象です。

実際に乗ってみます。すると大変不思議なのですが、全長5mに全幅2m、車重は2.1tを超える巨体にも関わらず、これ、誇張なしにコンパクトカーのようにクイックに動いてくれるんです。

これにはAWSと呼ばれる四輪操舵機構が効いてるのは言うまでもありません。

アウディQ8
走りは軽快そのもの

一方、このクイックさを裏付けるであろう動力性能に関しては、搭載されているV6直噴ターボエンジンの340ps&51kgmの性能があるから、というだけでは説明できません(だってゼロスタートの時点から動きが軽いから)。

実際には48ボルト電源を使ったマイルドハイブリッドによるアシスト効果が大きいのでしょう。

アウディQ8
340psを発生するV6・3Lエンジン

ちなみにこのマイルドハイブリッドシステムは、55km/h以上のコースティング走行時にはエンジンを完全に停止させます。また、そのエンジン停止域の上限は何と160km/h。さすがアウトバーンの国です。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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