●フルサイズSUVのクーペ版。22インチホイールでサイズに違和感!?
アウディの大型SUV・Q8に試乗しました。このモデルは先に発売されて好評の大型3列シートSUV・Q7をベースに、全高を落としてスタイリッシュなデザインのボディとしたクーペSUVです。
全高が低いほか、前後のドアにはサッシが設けられないタイプを採用するなど、よりスポーティなディテールもセットされています。
全長は4995mm、全幅は1995mm。全高は1705mmと堂々たる体格です。しかしながら前後になんと(大型ボディに呼応する)巨大な22インチものホイールを採用することなどもあり、実際に近寄ってみるまではサイズ感がわからない不思議なクルマとも言えます。
ラゲッジルームは大きな容量を持っていますが、何ぶん最低地上高が235mm(Sラインは215mm)としっかり取られたモデルのため、大きな荷物を積み込むときにはよいしょっという感じになり、やや厄介です。
そんな時にはラゲッジの左壁に設置されたエアサスのスイッチを操作することで、一気に車高を下げることができますので楽なのでした。
インテリアはピアノブラックのパネルをかなり大きな面積に使っており、まるでインパネ全体に水を張ったかのように綺麗な表面が魅力です。
センターには大きなモニターが2枚セットされています。上部はナビ等用の10.1インチタッチパネル。下の8.6インチタッチパネルではエアコンのコントロールなどが可能です。このため物理スイッチの数は極限まで減らされており、ミニマルな印象です。
実際に乗ってみます。すると大変不思議なのですが、全長5mに全幅2m、車重は2.1tを超える巨体にも関わらず、これ、誇張なしにコンパクトカーのようにクイックに動いてくれるんです。
これにはAWSと呼ばれる四輪操舵機構が効いてるのは言うまでもありません。
一方、このクイックさを裏付けるであろう動力性能に関しては、搭載されているV6直噴ターボエンジンの340ps&51kgmの性能があるから、というだけでは説明できません(だってゼロスタートの時点から動きが軽いから)。
実際には48ボルト電源を使ったマイルドハイブリッドによるアシスト効果が大きいのでしょう。
ちなみにこのマイルドハイブリッドシステムは、55km/h以上のコースティング走行時にはエンジンを完全に停止させます。また、そのエンジン停止域の上限は何と160km/h。さすがアウトバーンの国です。
(写真・動画・文/ウナ丼)