■プラグインハイブリッドの「E-TENSE」を搭載
また、これまでセダンに使われたことがないロングホイールベースの「EMP2(Efficient Modular Platform 2)」の新バージョンとなるアーキテクチャは、「DS 9」に、リヤシートの広さというメリットをもたらしています。後席の乗り心地は、前席と同等レベルを追求しているのも同モデルの特徴です。ナッパレザーで完全に覆われたダッシュボード、ウォッチストラップを模したデザインのシートなど、細部にまでこだわりが貫かれています。
クリスタルのように造形されたタッチボタン、ルーフライニングとサンバイザーまで覆ったアルカンターラ 、手縫いの革で仕上げられたドアハンドルも見どころで、格別の触感を実現しているそう。2.9mのロングホイールベースをもつリヤシートは、広大なスペースを実現しています。
シートにはヒーター機能、クーリング機能、そしてマッサージ機能が備わり、クラス最高の機能が用意されるそう。センターアームレストは、総合的な快適性に貢献しており、前述のレザー素材で覆われ、USBポート内蔵のストレージ、マッサージシートとマルチカラーのウェルカムライトのコントローラーが備わっているなど、セグメントを超えた機能を誇っています。
気になるパワートレーンは、「E-TENSE」と呼ばれる新しいプラグインハイブリッドで、ターボチャージャー付PureTechガソリンエンジンとモーターからなるこのPHEVパワートレインは、225hpの出力を発揮。11.9kWhのバッテリーによって40kmから50km (WLTPモード)のゼロエミッション走行が可能。さらに、8速オートマチックトランスミッションを介するモーターは、最高出力80kW(110hp)、最大トルク320Nmを発揮します。
静止状態から発進時まで、速度域を問わず加速をブーストし、ゼロエミッションモードでも時速135kmまで加速が可能だそう。
また、効率を最大化すべく、始動時は、常にデフォルトがエレクトリックモードになっています。ハイブリッドモードでは、その走行の状況に応じて100%EV走行か、100%のガソリンエンジン走行か、もしくは2つの動力をミックスさせての走行かが自動的に制御されるそうです。
「E-TENSE」スポーツモードでは、アクセルペダル、ギアボックス、ステアリングとアクティブサスペンションのマッピングが調整されるとともに、内燃機関とモーターの組み合わせによる最大限のパワーを発揮。さらに、アクセルオフ時もしくは制動時にエネルギーを回収し、バッテリーに再充電する回生システムが搭載されています。ギヤセレクターを手前に引き、Bモードにすれば、回生ブレーキがさらに強力になります。
加えて、「E-Save」機能により、つねに蓄電レベルが指定されたレベルで確保されます。たとえばドライバーが走行ルート上のLEVエリア(※例として欧州で設定されるLEVのみが通行可能となる指定エリアなど)や郊外でゼロエミッションモード(複数ある走行モードのひとつ)を使う必要がることが分かっている場合などに必要な蓄電量を自動で担保できます。7.4kWの車載チャージャーとDS 9に標準装備のケーブルを使い、自宅または公共の充電設備によって1時間半で充電が可能になります。
DS9のラインナップは今後、電動化パワーユニットである2つのE-TENSEで展開されます。最高出力250hpを発揮する前輪駆動PHEVモデルと、最高出力360hpを誇るインテリジェントAWDのPHEVモデル。また、中国マーケットのローンチ時には、前述の250hpのE-TENSE仕様が展開されます。また、単体で225hpを発揮するPure Techガソリンエンジン仕様も用意されるそうです。
(塚田勝弘)