フィット史上最上の「なめらか」挙動のフィットホームハイブリッド【新型FIT HOME(e:HEV)試乗】

●新HVでなめらかフィールかつ力強い加速

第4世代目となる新型フィットが発売開始されました。今回、ハイブリッド(ホンダでは『e:HEV』と呼称)のホームというグレードに試乗しましたので報告します。

新型フィット
グリル面積が小さく、カラーパネルが大きいフロントセクション

全長は3995mm、全幅は1695mm。余裕で5ナンバーに収まるサイズです。全高は1515mmとなっています。

新型フィットで従来のAピラー位置よりもさらに前に細いピラーをセットして、ドライバー前方のウィンドウ面積を拡大しました。先代のフロントウィンドウ視野角は69度でしたが今回のモデルでは90度にまで広がっています。

この細いピラーは太さが55mm。先代モデルのAピラーでは116mmもありましたから死角部分は大きく減っています。

新型フィット
2本スポークのステアリングが特徴

インパネでは2本スポークの特徴的なステアリングのほか、新採用した7インチのTFTフル液晶メーターが特徴的です。

新型フィット
7インチTFT液晶を採用

このTFTでは速度や温度など運転に最低限必要なものを非常に大きく見せ、その他の情報とのコントラストを大きくつけています。これによってちょっと見ただけでも必要な情報がパッとわかる仕組みになっています。

新型フィット
ホーム専用の上質なシート

前後のシートはクッションの厚みが大きくなり、より快適に座れるようになっています。とりわけリアに関してはヒンジ部分の構造を見直すことで座面の厚さが飛躍的に向上しました。

新型フィット
シートの厚みが増しています

実際に運転してみます。

走り出してすぐ分かるのはその滑らかな乗り心地です。

新型フィット
コーナリングもしっとり

サスペンションに関しては従来モデルの形式を踏襲してフロントがストラット、リアがトーションビームとなっています。ただし摺動部分のスムース化を図るなどしてよりしなやかに足回りが動くように変化させました。

これが従来のはつらつとした運転特性だったフィットに、しなやかさを加えた理由だと思います。

また、ハイブリッドモデルではフロント部のパワーユニット重量が増増すことや、ラゲッジルーム下部にIPUを搭載することなどでガソリンモデルに対して重量が増していること(1180kg)も乗り心地の良好さに貢献してるのかもしれません。

従来の1モーター式のハイブリッドに変えて新採用されたe:HEVと呼ばれる2モーター式のハイブリッドシステム(エンジンは1.5L)は、フィットの動きを1クラスもしくは2クラス分ほどアップの印象を持たすことに成功しています。

新型フィット
モーター出力は109ps

このシステムはエンジンは基本的に発電機の役割をして、走行はほとんどのシーンでモーターが行います。このためアクセルの踏み始めからトルクが強く、そして綺麗に立ち上がります。

またモーターの出力が109psと余裕があるものになっていますので、中間加速も非常に強く、そして(繰り返しになりますが)綺麗にしなやかに立ち上がってくれるのです。

新型フィットのハイブリッドモデルはプレーンで所有満足度を満たしてくれるエクステリアとすっきりした視界に加えて、なめらかかつ力強いパワートレーンと乗り心地の良いサスペンションによって「いいもの感」にあふれるモデルとなっていました。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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