■EV化による環境負荷にどう取り組む?
「100年に一度の大変革記」といわれる中、自動車メーカーは「CAFE(企業別平均燃費基準)」などの燃費規制に対応する必要があります。また、大企業である自動車メーカーは、生み出されるクルマも含めたすべての活動に対しての環境対応が要求される時代になっています。
そんな中、日産自動車は、2019年度の気候変動に対する取り組みとその情報開示により、環境分野で世界的に権威のある国際的な非営利団体CDPより、気候変動の取り組みにおいて最高評価である「Aリスト」企業に認定されたと発表しました。
CDPは2003年以来、世界の主要企業を対象に、温室効果ガスの排出や気候変動による事業リスク・機会などの情報開示を求める質問書を送付しています。
今回のAリスト企業認定にあたり、「社内に設置したグローバル環境委員会における、気候変動課題に対する包括的なマネージメント」、「ニッサン インテリジェント モビリティ」のもと推進されているEVの日産リーフや電動パワートレイン「e-POWER」による電動化の取り組み、EVのバッテリーを活用したV2X(Vehicle to Everything)によるエネルギーマネジメント、クルマの原材料調達から輸送、走行時までバリューチェーン全体でのCO2削減活動などの取り組みが評価されたそうです。
CDP気候変動日本報告会の辰巳 剛常務執行役員は「自動車業界は、CASEと言われる大きな変革の時代を迎えますが、日産は、サプライヤー、パートナー企業、他業界、政府や自治体などと今まで以上の協力関係を築き、サステナブルなモビリティ社会の実現に向け邁進されています」とコメント。
日産自動車の2019年度は、EVクロスオーバーコンセプトカー「ニッサン アリア コンセプト」や次世代クルマづくりコンセプト「ニッサン インテリジェント ファクトリー」を近い将来実現するものとして発表するなど、今後さらにCO2排出削減の取り組みを加速させていくと表明しています。
同社は、「原材料調達から輸送、走行時までバリューチェーン全体でのCO2削減活動が評価された」としています。EVに欠かせないリチウムイオン電池製造時のCO2排出量をどう減らしていくのか、などもサプライヤーと共に今まで以上よりも広く周知徹底していくことも期待されます。
(塚田勝弘)