ホンダアクセスが「S2000」20周年新作エアロ、なんでも固定「KACHATTO-WAGON」、まるで風船の電気自動車「AIBOU」を出展【東京オートサロン2020】

■空力、デザインなど慎重に煮詰めていったエアロバンパー

東京オートサロン2020の北ホールにブースを構えたホンダアクセスで注目を集めたのは、ホンダ・S2000発売20周年を機に発表した新作のエアロ。

S2000の20周年記念新作エアロ装着車
S2000の20周年記念新作エアロ装着車

今でも中古市場では絶大な人気を誇り、また新車購入から乗り続ける顧客も多いというS2000。発売から20年ということで外装をリプレイスする方も多く、エアロバンパーなどへの要望は悲痛の叫びにもにたリクエストが数多く届いていたとのことです。

エアロバンパー
エアロバンパー

この20周年を機に発表されたエアロはエアロバンパー、サイドスカート、リアスポイラーの3点。フロント周りは衝突などで壊れやすい位置ということもあるのでしょう特にエアロバンパーの需要が多く、そのため空力効果やデザインなどをかなり慎重に煮詰めていったそうです。

デザインはS2000のノーマルイメージを損なわないようにしながら2020年の雰囲気も盛り込んでいるということでモダンながら違和感のない造形となっています。

サイドスカート
サイドスカート

サイド部分は最近のタイヤの幅広化、ツライチ化の風潮からリヤタイヤの空気抵抗を無視できないということでリアタイヤに巻き込まれるサイドの空気の流れを整えるために小ぶりのスカートを用意。ここでもノーマルのイメージを保つデザインが施されています。

リアスポイラー
リアスポイラー

リアスポイラーもノーマルのイメージを損なうことのないようなデザインとなってはいますが、リア駆動のS2000のために、リアタイヤのトラクションが逃げないようにダウンフォースが生まれるような少し大型なものとなっています。

■ステップワゴンの可能性を広げる「KACHATTO-WAGON」

バイクが積めるようにカスタマイズされたステップワゴンの展示なのかと思いきや、大胆な発想のシステムの展示だったこの「KACHATTO-WAGON」。

KACHATTO-WAGON
KACHATTO-WAGONの内装

ベースとなったのはステップワゴンの福祉車両ですが、ポイントはこの床に空いた穴。

KACHATTO-WAGON
KACHATTO-WAGONの固定システム

この床の穴と様々なアタッチメントを取り付けるアダプタが「カチャっと」簡単にはまります。

KACHATTO-WAGON
KACHATTO-WAGONの内装

このカチャットのシステムによりシートやバイク留め具、そして車いすなどの固定具を自由にレイアウトすることができるのです。コンセプト提案ではあっても、これは今すぐ欲しいシステムではないでしょうか?

■子供用モビリティの新提案「AIBOU」

教育玩具的なモビリティの提案として出展されていた風船のような電気自動車が「AIBOU」

AIBOU
AIBOU

フレームと駆動部分以外はすべてプラスティックで、なおかつフレーム周りはエアクッションでおおわれており万が一の時でも乗員である子供の身が守られる設計で、その設計自体がデザインアクセントとなっています。

AIBOU
AIBOUの素材はプラスティック

ごく低速で走行し、子供たちにクルマというものに馴染んでもらおうという発想で開発されているそうです。

AIBOU
AIBOUの内装

そのため、体に触れる部分はすべて柔らかい素材でできており、また運転に必要な情報はすべて未就学児でも解りやすいアイコン化されています。

AIBOU
AIBOUのハンドル

通信機能も用意され、親のスマートフォンとハンズフリー通話をしながら子供の意思で運転体験をすることができるようにもなっているとのこと。またハンドルから手を離せば即座に停車するなど、受動安全、能動安全ともに考えられたモノとなっているようです。

過去のアニバーサリー、現在の利便性、未来のドライバーと時代と世代にまたがる展示を魅せたホンダアクセス。すべての世代に対してより良いものを届けたいという意思が伝わります。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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