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■豊田市の元町工場で、マークXの生産終了イベント開催
2019年12月23日に最後のラインオフを終え、51年続いたマークⅡとマークXの歴史に幕が下ろされました。
マークXの前身は、1980年代に「ハイソカー」として一大ブームを起こしたマークⅡです。「これで終わりか」という一抹の寂しさを感じながらも、ひとつの役割を果たし多くの仲間に見送られました。
高級FRセダンとして1968年の初代マークⅡに始まり、1980年代には「ハイソカー(ハイソサエティカー)」の中心的存在として、マークⅡ3兄弟と呼ばれたチェイサーとクレスタとともに一世を風靡しました。
しかし、2000年を迎える頃にはセダン人気に陰りがみえ、市場環境はユーザーの多様性に応えるかたちでSUVやミニバンなどに主役の座を譲りました。
2004年にはマークⅡは新たにスポーティさを強調したセダンのマークXに継承されました。しかし、目標としたセダンの復活はならず、昨年の販売台数は約3900台まで落ち込み、遂に生産終了となりました。
生産終了イベントは、200名前後の開発者と技術者が集まり、和やかに行われました。
マークⅡ初代からマークXまでの映像を流して、二之夕工場長と各部門代表者の開発秘話によって、歴代のマークⅡとマークX、およびその関係者を労いました。
最後は、参加者全員によって「Thank you マークX」のエールを送って終わりました。
■イベント後に聞いてみた二之夕工場長と友原CEの想い
イベント終了後に、二之夕工場長と友原CE(チーフエンジニア)への囲み取材が行われました。友原CEは、マークⅡの開発に長く携わり、2代目マークXではCEとして開発を指揮しました。
―本日の生産終了を受けて素直な想いは?
寂しい想いはあるが、トヨタが変革を進める中で一つの役割を果たし社会に貢献できたという満足感があります。終了イベントは、対外的というより関係した仲間で感謝を持って送り出すのが目的です。
―マークⅡとマークXが長くお客様に愛された理由、その役割は?
日本経済の成長とともに、自分で働いてクルマを持つという時代にマッチしたアッパーミドルのセダンでした。また、お客様の欲しい高級FRを300万円以下で提供できたこともお客様に受け入れられた要因です。
―今後のCASE(コネクテッド、自動運転、シェアサービス、電動化)の時代に生かせるものは?
新しい技術を高い品質でお客様に提供するというトヨタのDNAは、今後の新しいクルマにも継承されます。現場サイドも高品質を確保するため、新しい技術については理解を深めるため一生懸命勉強しています。
―ラインナップが減ることへの懸念は?
確かに車種数は減りますが、他のモデルのレンジの広さでカバーします。マークXの特長であるスポーツタイプFRは、レクサスの一グレードでカバーすることが可能だと考えています。