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●購入ガイド作成のため毎年約200台のクルマに試乗。インパクトのあった3台とは?
2019年はー部改良したダイハツトールからマイナーチェンジしたスバルインプレッサスポーツ/G4まで、年間約200台のクルマを撮影&インプレッションをしました。その中で印象に残った3台を選びましたので紹介します。
まず、第3位ですが「レクサスES300h Fスポーツ」としました。レクサスESは2018年10月にデビューしたモデルですが、2019年に試乗したFスポーツの乗り味は絶品だったので、3位となりました。
レクサスESは販売開始前の事前撮影会で試乗していたのですが、日本のみ導入されているFスポーツの乗り味は硬めの味付けにより路面からの衝撃をダイレクトに伝えるものでした。それはスポーティというひと言でかたづけるには物足りない感じでした。
しかし、2019年に試乗したレクサスES 300Fスポーツは以前試乗したクルマとは別物という乗り味になっていました。確かに引き締められたセッティングですが、衝撃は和らげられ、しかもフラットな乗り味となっており、スポーティとラグジュアリーが絶妙なバランスとなっていたのです。
ステアリングを切ったときのフロントノーズの動きも無駄がなく、スッと動いてくれるので操る楽しさをドライバーが味わえるのもFスポーツらしさを表現していると思います。
ESだけでなく、UXやマイナーチェンジしたRXやLCなど2019年に試乗したモデルは初期モデルから乗り味が変更されており、レクサス(トヨタ)の修正力の高さには驚かされました。
●第2位はディーゼルを搭載したSUV
続いて第2位は2019年6月に追加された「三菱エクリプスクロス2.2ディーゼルターボ車」です。ひと足先にビッグマイナーチェンジした三菱デリカD:5に搭載された2.2L直4ディーゼルターボ+8速ATをミドルサイズSUVのエクリプスクロスに搭載したモデルです。
デリカD:5で試乗した時にディーゼルエンジンとは思えないピックアップの良さ、そして静粛性に驚かされましたが、車両重量の軽いエクリプスクロスではさらに走行性能に磨きが掛かっていました。
重量の重いディーゼルエンジンをフロントに搭載していますが、ランエボ譲りと称される4WD+S-AWCによる走りは特にコーナリング時のトラクションの変化が抜群で、ハンドル操作に対して鋭く反応するドライバビリティの良さが特徴です。
試乗した最上級グレードのGプラスパッケージにはアダプティブクルーズコントロールも装着されており、使用しての高速走行の燃費はカタログ燃費を超える18km/Lという数値を記録しました。高い実力があるにも関わらず人気面でライバルにリードされているので、注目してもらいたいモデルです。
●第1位はトヨタセダンの代名詞
そして2019年最もインパクトを強く感じたクルマは「トヨタカローラセダン」です。3ナンバーボディになった。価格が高くなったというネガティブな意見を多く聞きますが、乗ってもらえれば納得してもらえる高い実力があるということで第1位としました。
カローラといえばトヨタの代名詞と言えるメジャーなモデルでもあり、ある意味トヨタ車の基準となるモデルです。その基準となるカローラセダンがここまで良くなると、今後登場するトヨタ車への期待は膨らむばかりです。
全幅は1745mmですが、居心地の良いジャストサイズの室内の広さを確保していますし、気になる取り回しも最小回転半径も5.1mに抑えているので、車庫が5ナンバーしか入らないという人以外は不便さを感じるシーンは少ないと思います。
とにかく変わったのは走りの質感です。先代のカローラアクシオはヴィッツベースだったこともあり、走りへの期待は薄かったですが、TNGAを採用した現行型カローラセダンは、ドライバーがクルマとの対話が楽しめるように仕立てられています。
実際、先代から現行型へと乗り替えたオーナーに話を聞くと「先代はロングドライブに行く気がおきなかったですけど、現行型は遠くまで乗っていきたいと思いますし、運転していて楽しいです。本当にイイクルマを買いました」と話してくれました。
試乗会の限られた時間でしかカローラセダンを味わっていませんが、2020年を迎えたらまずロングドライブのテストを行ってみたいと思っているのがカローラセダンです。
(萩原文博)