新型ハスラーのコンセプトは「日常でアウトドアを楽しむ」! タフで力強さを増したデザインの秘密とは?

■新型ハスラーが表現するのはタフな道具感と力強い機能美

●時代とともに変化するアウトドアスタイルに対応

先代ハスラーは、新ジャンルの軽クロスオーバーとして、アウトドアなライフスタイルをイメージさせることで多くの人に愛されてきました。しかし、時代とともにアウトドアのスタイルは変化しています。近年、アウトドア用のアイテムやウェアを日常的に身にまとうことが定着し、ライフスタイルの一つとして認知されてきました。

新型ハスラーのフロントビュー
一目でハスラーとわかる一方で、新しさも感じさせる巧みなデザインです。

新型ハスラーでは、「日常でアウトドアスタイルを楽しむ」ことをテーマにデザインされました。多くの人が日常的に身にまとうようになったアウトドアアイテムですが、元々は機能を追求したもの。それを日常で使いこなすからこそクールだと感じられるのだ、という考え方です。

新型ハスラーのリヤビュー
先代よりもスクエア基調になりました。このデザインの変遷は、現行型ジムニーにも通じるものです。

新型ハスラーでは、アウトドアアイテムのような「タフ」で「力強い」要素をわかりやすく取り入れています。

先代ハスラーとサイドビューを見比べてみると、水平基調のラインを使いながら、ボディ全体をスクエアでガッチリとしたフォルムにまとめているのが大きな特徴です。キャビンの造形も大きく異なります。ルーフを延長してバックドアを直立させることで、大きく四角い空間を生み出しています。そこで生まれたスペースには、クォーターガラスを追加して6ライトキャビンとしました。これにより、先代モデルの差別化と後方視界の改善を図ることができたというわけです。

新型ハスラーのサイドビュー
サイドから見ると、ルーフが延長されことが一目瞭然。6ライトウインドウとなったことで、後方ななめの視界が改善されました。

また、先代ハスラーではAピラーとBピラーがブラックアウトされていたのに対して、新型ではすべてのピラーをボディ同色にすることで、ボディのどっしりとした印象を表現しています。正面から見たときのピラーの角度も立てていることも、スタイリング面だけでなく居住空間の拡大というメリットをもたらしています。

新型ハスラーのフロントマスク
正面から見ると、左右のウインドウの角度も直立に近くなったことがわかります。

先代の特徴でもあったツートーンルーフにも変更が加えられました。先代は水平にルーフの塗り分けが行われていたのですが、新型ではL字型の塗り分けになっています。これは幌やハードトップをイメージさせるもので、よりタフさを演出するのに一役買っています。

ルーフ
AピラーとBピラーはボディ同色になると同時に、ツートーンルーフ車はユニークな塗り分け方を採用。

顔周りに関しては、ハスラーのアイコンとして丸型ヘッドライトやスクエアなグリルは踏襲。ライトやグリルは一体化されたデザインも少なくありませんが、新型ハスラーではあえて機能別に独立させたレイアウトを採用しています。部品単品でも見応えのあるように、細部にまで気を遣ってデザインしたそうです。

ヘッドライト
ゴツゴツとした無骨な雰囲気がフロントマスクからも伝わってきます。

エクステリアのこだわりはこれに止まりません。ボディ断面については、サイド、バック、フードなどの面質にまで気を遣ってデザインされました。鉄板本来の張りを意識して、抑揚を感じさせる断面を実現したと言います。さらにフードを高く持ち上げることで、厚みのある顔まわりとして存在感を表現しています。

フード
ボンネットの開口部も左右のフェンダーまで覆いかぶさるようになりました。
リヤバンパー
制約のあるボディサイズの中、断面に抑揚を持たせているのがこだわりのポイントです。

●ツートーン6色、モノトーン5色の豊富なボディカラー

新型ハスラーでは大きく二つの方向で車体色の開発が行われました。気分を最高に盛り上げてくれる「テンションマックス」カラーと、素材の風味を再現した「ナチュラルテイスト」カラーです。

テンションマックスカラーの代表は、「バーミリオンオレンジ」です。先代の「パッションオレンジ」よりも赤味を増すことで力強さ、タフさを強調し増した。ガンメタのルーフと組み合わせると、車体が引き締まってよりアクティブな印象を見る者に与えます。

バーミリオンオレンジ ガンメタリック2トーン
(車体色:バーミリオンオレンジ ガンメタリック2トーン)

一方、ナチュラルテイストのカラーでは、「デニムブルー」に注目です。ハスラーのイメージとはちょっと雰囲気の異なる、落ち着きを感じさせるもの。少量のメタリックを若干黄色味に振ることで、使い込まれたデニム地のような印象です。

デニムブルー
(車体色:デニムブルーメタリック)

このバーミリオンオレンジとデニムブルーを含め、全11色が用意されています。この豊富なカラーラインナップも新型ハスラーの魅力の一つといえるでしょう。

アクティブイエロー&ホワイト2トーン
(車体色:アクティブイエロー ホワイト2トーン)
ピュアホワイトパール
(車体色:ピュアホワイトパール)
オフブルーメタリック
(車体色:オフブルーメタリック)
クールカーキパールメタリック
(車体色:クールカーキパールメタリック)
シフォンアイボリーメタリック
(車体色:シフォンアイボリーメタリック)
チアフルピンクメタリック ホワイト2トーン
(車体色:チアフルピンクメタリック ホワイト2トーン)
フェニックスレッドパール ガンメタリック2トーン
(車体色:フェニックスレッドパール ガンメタリック2トーン)
ブリスクブルーメタリック ホワイト2トーン
(車体色:ブリスクブルーメタリック ホワイト2トーン)
ブルーイッシュブラックパール3
(車体色:ブルーイッシュブラックパール3)

●「プロテクト感」を取り入れた内装デザイン

続いて、先代とはガラリと印象の変わったインテリアに目を向けてみましょう。

インテリアもエクステリアと同様に、日常でアウトドアを楽しむことがコンセプト。そのために、「タフさとプロテクト感を表現したデザイン」と「高い機能性とユーティリティー」に注力して開発は行われました。

インパネ
インパネはイメージがガラリと変わりました。

アウトドアアイテムのタフでプロテクトされた機能感を表現するために、時計や携帯などの精密機器を守るプロテクションをイメージしています。その象徴となるのが、メーター、センターディスプレイ、アッパーボックスを取り囲む3連フレームです。

フレーム
G-SHOCKなどタフな腕時計を連想させるデザインです。

このフレームをより印象付けるため、車体色と連動した高彩度キャラクターカラーを採用しました。バーミリオンカラー、デニムブルーのほか、どのボディ色にも似合うグレイッシュホワイトが設定されています。

デニムブルーのフレーム
こちらはデニムブルーのフレーム。

シートのメイン表皮には「縞鋼板柄」を採用してタフネスさをアピール。カラフルな差し色を入れることでシートのプロポーションを強調しつつ、ワクワク感も表現しています。このアクセント部は、インパネの3連フレームと連動したカラーコーディネイトが施されます。

シート表皮
シートの一部だけ表皮を変更するとともにアクセントカラーを配色。
バーミリオンオレンジ内装
バーミリオンオレンジ内装。
デニムブルー内装
デニムブルー内装。このほか、グレーイッシュホワイト内装も用意されます。

新型ハスラーではオーナーが好きな内装色を選べるようになっているのも特徴です。車体色がバーミリオンオレンジとデニムブルーの場合は内装も同色、それ以外の車体色はグレイッシュホワイトの内装色が標準設定となります。しかし、バーミリオンオレンジの外装色にグレイッシュホワイトの内装色など、希望するオーナーにはある程度自由に内装色が選べるようになっています(受注生産)。

カラーの組み合わせ
多彩なカラーの組み合わせが楽しめるのも新型ハスラーの魅力です。

(長野達郎)

【関連記事】
こいつは売れない理由が見つからない! 四角く、広く、便利になった新型ハスラーがついにデビュー!!
https://clicccar.com/2019/12/24/940516/

細部のどこを見てもアウトドアアイテム感あふれるスタイルを実現【新型ハスラー デザイナー インタビュー】
https://clicccar.com/2019/12/24/935566/