■オートサロン発表に先立ってGRヤリスのカモフラージュモデルを公開
12月15日に富士スピードウェイで開催された「TOYOTA Gazoo Racing FESTIVAL 2019」(TGRF2019)のウェルカムセレモニーでいきなり公開されてしまったGRヤリス。
TGRF2019のウェルカムセレモニーでは国内や海外で活躍したレーシングマシンが、それらをドライブしたドライバーにより乗り付けられて整列します。
そのマシンたちの登場のトリを飾ったのがWRC世界ラリー選手権でドライバーズチャンピオンとなったヤリスWRC。
そのヤリスWRCの整列が終わった瞬間、最終コーナー側から駆け寄るもう1台のマシンが現れます。
カモフラージュされたそのマシンはセレモニー会場を通過し、TGRコーナー側で華麗なドーナツターンを披露。派手なパフォーマンスを繰り広げた後にやっとマシンが並ぶ列のセンターへとやってきました。
世界ラリー選手権WRCに挑戦中の勝田貴元選手のドライブで登場したこのクルマ、GAZOO Racing Company Presidentでトヨタ自動車の副社長である 友山茂樹氏のTGRF2019開会宣言でのスピーチによると、東京オートサロン2020で正式発表されるはずのGRヤリスだったのです。
2020年初頭に発売が予定されているヴィッツの後継車、ヤリスの形をしてはいますがどうやら中身は別物のようです。詳しいことは東京オートサロン2020での正式発表を待たなくてはなりませんが、このプロトタイプからでもスゴさは伝わってきます。
とにかく目立つのがオーバーフェンダー。50mm以上は出っ張っていると思われます。
またフロントバンパーはヴィッツGR SPORTなどと共通のデザインテイストにはなっていますが、下部の開口部が異常に大きいところに注目です。
下部の開口部のグリルの奥には巨大なインタークーラーと思しき物体が見えています。面積もさることながら奥行もこのサイズのクルマとしてはかなりの大きさ。またドーナツターンをキメた時の様子からして4WDであることは間違いなく、このインタークーラーと合わせて考えるとハイパワーな4WD車と言えそうです。
フロントフェンダーもかなりのオーバーフェンダーで、リアのオーバーフェンダーをつなぐサイドステップもかなりの大きさ。そして何よりマッドフラップとラリータイヤに注目です。
■WRC直系のハイパワー4WD?
このGRヤリスはGRスープラに続くGRグローバルモデルとされています。そんなGRヤリスはどんなクルマなのでしょう。
GRヤリスをよく見てみると競技マシンのヤリスWRCとの共通点が多いことに気が付きます。
友山茂樹氏のTGRF2019開会宣言でのスピーチによると、このGRヤリスはWRCチャンピオンマシンであるヤリスWRC直系の市販車となるとのことです。
マッドフラップにラリータイヤという組み合わせでTGRF2019に登場したGRヤリスは、つまりラリー直系のハイパワー4WDということになります。
市販車としてはいまや絶滅してしまったと言ってもいいラリー直系のハイパワー4WDが再び市販、それもトヨタの手でなされるということで様々な憶測を生んでいたGRヤリス。
カモフラージュされているとは言え、そのスゴ味は絶大。東京オートサロン2020の正式発表ではその性能が明らかとされます。いまから2020年1月10日からの東京オートサロン2020を楽しみにしましょう。
(写真:松永和浩、高橋秀彰 文:松永和浩)