●コースマーシャルのかっこよさに憧れてこの世界へ
とかく男の世界と思われがちなモータースポーツの世界。ところが最近は競女カップやWシリーズなど、ドライバーを女性限定にしたカテゴリも発足するなど、モータースポーツに関わる女性も増えてきました。
そんなモータースポーツの中でも、ドライバーとしてではなく、あくまで主役を支えるかたちでモータースポーツに関わっている女性たちは、一体どんなところにモータースポーツの魅力を感じているのでしょう?そんなちょっとした疑問を、実際にモータースポーツの現場にいる女性に聞いてみようというこの企画。
今回は取材で訪れたマカオグランプリのコースサイドで出会ったコースマーシャルのWinnieさんにお話を伺いました。
──はじめまして。Winnieさんはマカオグランプリに関わるようになって何年目ですか?
「はじめまして、ようこそマカオグランプリへ!私はマカオグランプリのマーシャルになって今回で11年目です。マカオグランプリが大好きなんです!」
──僕のマカオグランプリ取材歴より長いですね(汗)なぜマーシャルになったんでしょうか?
「きっかけは子供の頃からマカオグランプリをテレビで観ていて、マーシャルさん達かっこいいなぁと思っていたので、思い切って参加することにしました。」
──マーシャルになるのは難しいんでしょうか?
「もちろんトレーニングがあって、テストがあります。そのテストに合格するとマーシャルになれます。テストはそんなに難しいわけではないですけど、やはり専門の知識が必要になります。」
──11年もマーシャルとして参加しているという事は、やっぱりそれだけの魅力があるっていうことですか?
「そうですね。こうしてコースサイド(取材現場は有名なリスボアベンドの次、立体交差のあるサンフランシスコベンド)に出るのは今年が初めてなんですが、一番近くでマシンが走っていくのが見られるのが一番楽しいです。
マーシャルは朝が早く、朝4時に集合して、その日のレースが終わった後遅いと夜7時くらいまで働いているので、それがツラいです。あと、雨が降ったりしたら事故も多くなるので大変です。それでもやっぱり毎年参加したくなります。」
「11年もやっていると、マカオグランプリは木曜日から走行があるので、学校や仕事を休まなければならなかった時もありました。でもゴニョゴニョしてでも休んで毎年参加してきましたね(笑)」
──あはは(笑)なるほど。そういうメンタルも世界共通なんですね。そんなWinnieさんが感じるマカオの魅力ってなんですか?
「他のレースと違うのは、F3やGTのレースもあって、そこにモーターサイクル(2輪)のレースもあって、いろんな種類のレースが一度に観られる事です。そこは他のレースとは比べられませんね。
でも実はF1が一番好きです。やっぱりクルマが速いしドライバーのテクニックも素晴らしいですよね。このマカオグランプリを走ったドライバーがF1でたくさん活躍しているのも嬉しいです。今年初めてシンガポールにF1を観に行きました。いつかは鈴鹿にF1を観に行くのが今の夢です。」
──ぜひ鈴鹿や富士にもレースを観に来てください。それでは最後に日本の読者の方にメッセージをお願いします
「マカオグランプリはとても歴史があって、コースも複雑で観ていて楽しめるので、ぜひマカオに来てレースを楽しんでください。」
コースサイドに咲く一輪の花のように凛々しく、そしていざという時は迅速にマーシャルとしてコースの安全のために全力を尽くす。
日本ではなかなかマーシャルさんに取材する機会がありませんので、今回はとても貴重なインタビューとなりました。皆さんもマカオグランプリ観戦計画を今から立ててみてはいかがでしょうか?
それでは次回もお楽しみに!
(H@ty)