RAV4 プラグインハイブリッドのパッケージング。ユーティリティにまったく犠牲がない理由は【LAオートショー2019】

■RAV4はプラグインハイブリッドでも通常モデルと同じ室内スペース

日本でも2020年夏から発売とアナウンスされているRAV4のプラグインハイブリッド(PHV)モデル。発表されたロサンゼルス オートショーの会場で実車に触れてみました。

RAV4 PHV

驚いたのは、プラグインハイブリッド化による室内スペースの犠牲がないこと。プラグインハイブリッドモデルは大容量バッテリーを積載することとなり、それをどこに積むかがパッケージングのポイントです。

RAV4ハイブリッドのバッテリー容量は公表されていませんが、EV航続距離が(北米の計測方法において)約62kmと長いので、それなりの量のバッテリーを積んでいると考えられるでしょう。ところが積載場所によっては室内が狭くなったりと使い勝手が犠牲になってしまうわけです。

たとえば「プリウスPHV」はラゲッジルームの床下にバッテリーを積むので、わずかですが荷室の床面が高くなり、荷室が狭くなっています。

荷室の広さも通常モデルと変わらない

というわけでRAV4プラグインハイブリッドの実車をチェック。まずはプリウスPHVのようにラゲッジルームが狭くなっていないかを確認するためにテールゲートを開けてみたのですが、パッと見たところ狭くなっている様子はなし。床面のボードを跳ね上げてみたらその下にはなんと……スペアタイヤが収まっていました。つまり余裕があります。バッテリーを積んでいる様子はありません。

後席足元の床の高さもPHV化の犠牲なし

じゃあ、プラグインハイブリッドカーでときどきある前席から後席にかけての床にバッテリーを積んでいるのかとおもって後席の足元を確認したところ、その様子はなし。後席足元の広さも、通常モデルと同じです。つまり、室内スペースはまったく狭くなっていないのです。

大容量バッテリーの搭載位置はどこか?

大容量バッテリーはフロア下に搭載されていて、下から覗くと張り出している

答えは、床下でした。しかも、完全にフロアの下側。通常のRAV4に対して車体の下側へは張り出しているのですが、室内スペースへの犠牲がないのが長所です。

プラグインハイブリッドカーが増えてくると、それだからといって室内や荷室を狭くすることは許容されにくくなるでしょう。昨今、SUVをベースとしたプラグインハイブリッドが増えているのは、床下に張り出しても最低地上高が確保できるSUVはPHVのパッケージングとしてマッチしているからなのかもしれません。

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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