■RAV4はプラグインハイブリッドでも通常モデルと同じ室内スペース
日本でも2020年夏から発売とアナウンスされているRAV4のプラグインハイブリッド(PHV)モデル。発表されたロサンゼルス オートショーの会場で実車に触れてみました。
驚いたのは、プラグインハイブリッド化による室内スペースの犠牲がないこと。プラグインハイブリッドモデルは大容量バッテリーを積載することとなり、それをどこに積むかがパッケージングのポイントです。
RAV4ハイブリッドのバッテリー容量は公表されていませんが、EV航続距離が(北米の計測方法において)約62kmと長いので、それなりの量のバッテリーを積んでいると考えられるでしょう。ところが積載場所によっては室内が狭くなったりと使い勝手が犠牲になってしまうわけです。
たとえば「プリウスPHV」はラゲッジルームの床下にバッテリーを積むので、わずかですが荷室の床面が高くなり、荷室が狭くなっています。
というわけでRAV4プラグインハイブリッドの実車をチェック。まずはプリウスPHVのようにラゲッジルームが狭くなっていないかを確認するためにテールゲートを開けてみたのですが、パッと見たところ狭くなっている様子はなし。床面のボードを跳ね上げてみたらその下にはなんと……スペアタイヤが収まっていました。つまり余裕があります。バッテリーを積んでいる様子はありません。
じゃあ、プラグインハイブリッドカーでときどきある前席から後席にかけての床にバッテリーを積んでいるのかとおもって後席の足元を確認したところ、その様子はなし。後席足元の広さも、通常モデルと同じです。つまり、室内スペースはまったく狭くなっていないのです。
大容量バッテリーの搭載位置はどこか?
答えは、床下でした。しかも、完全にフロアの下側。通常のRAV4に対して車体の下側へは張り出しているのですが、室内スペースへの犠牲がないのが長所です。
プラグインハイブリッドカーが増えてくると、それだからといって室内や荷室を狭くすることは許容されにくくなるでしょう。昨今、SUVをベースとしたプラグインハイブリッドが増えているのは、床下に張り出しても最低地上高が確保できるSUVはPHVのパッケージングとしてマッチしているからなのかもしれません。
(工藤貴宏)