RAV4の2020世界販売目標はなんと100万台!? では4WD比率はどのくらい?【試乗】

●100万台といえばSUBARUの年間生産台数と同じくらい

「日本カー・オブ・ザ・イヤー2019-2020」のベスト10台にも選ばれたトヨタ「RAV4」。今年4月の販売開始から10月末の間に約4万3000台も国内販売した人気車種となっています。

日本での販売が振るわなかったから2016年夏に日本での販売を終了して1世代お休みし、3年ぶりに復活してみたら大人気になってしまったのだから市場ってよくわからないものですね。

というか、時間がたって状況が変わったら「そこにニーズがある」と的確に判断したトヨタのマーケティング力が素晴らしいと判断するべきなのかもしれません。

「Adventure」グレードはよりワイルドなスタイルが魅力

先日、そんなRAV4でフラットダートを走る機会がありました。RAV4にはガソリン車とハイブリッド車があり、意外に知られていないかもしれませんが、ハイブリッドのほうが速いんですよね。

ガソリン車はエンジン排気量が2.0L。ハイブリッドはそれより大きな2.5Lだし、さらにモーターまで加わっているのだから当然なのですが。

そして、そのハイブリッドはフィーリング面でも出来が良くて、従来の「トヨタのハイブリッドは楽しくない」というイメージとは大違い。フラットダートにコースを作ってタイムアタックの真似事をしてみても気持ちよく走れました。

「ラバーバンドフィーリング」なんていわれた違和感を排除し、アクセル操作にリニアに反応してくれることが美点です。

ハイブリッドのほうがパワフル

ちなみに、ハイブリッド車の4WDは「E-FOUR」と呼ばれる、後輪はモーターで駆動するシステムを組み合わせています。

驚いたのは、そんなRAV4の日本での4WD車比率。どのくらいだと思います。なんと9割のユーザーに4WDが選ばれているというじゃないですか(FFが一部のグレードでしか選べないのもありますが)。

トヨタ広報部によると内訳はガソリン車の高機能タイプ「ダイナミックトルクベクタリンクAWD」が約42%、ガソリン車のベーシックな「ダイナミックトルクコントロール4WD」が約20%、そしてハイブリッドの「E-FOUR」が約38%とのこと。それにしても9割とは驚きです。

新型RAV4のスタイルは従来よりも無骨

そしてもっと驚いたのは、RAV4の世界販売状況。今年のグローバル販売台数は、1月から9月末までで約71万台。年間予定は約85万台とのこと。えっ、85万台!? そんなに!!

しかも、中国での販売が本格的にはじまる来年は100万台の販売を見込んでいるそうです。100万台といえば、SUBARUの全車種をあわせた年間生産台数と同じくらい。そんな台数をRAV4だけでこなしてしまうとは。

北米では2018年の乗用車販売ランキングで3位に輝いた

確かにトヨタは、カローラシリーズを年間約150万台も生産しているので車種別カウントで100万台というのはトップではありません。でも、カローラにはセダン、ハッチバック、そしてワゴンと3タイプのボディでの合計の数。対してRAV4はひとつのボディで100万台ですからね。

RAV4は日本でも大人気だけど、世界でも凄いことになっているというハナシでした。

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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